国税庁がプリンス遺産の過小評価を主張
あまりこういう生々しいニュースは扱わないようにしていたのですが、最近書くことがないので載せておきます。かつて、プリンス遺産の管財人であるコメリカ・バンク&トラストが見積もったプリンスの総資産は、8,230万ドルでした。しかし、国税庁(IRS)がその価値を1億6,320万ドルに修正するよう主張しています。まさかの倍の値段。情報源:StarTribune
プリンスが遺書を用意しなかったことに端を発して、ミネソタ史上最も高額かつ複雑な検認事案となっている遺産問題。今回の矛盾する主張により事態はさらにややこしくなりそうです。コメリカは国税庁の試算に誤りが多く含まれていると指摘。課税増額に納得いかないコメリカは当然裁判に持ち込むようですが、長くかかることが見込まれる闘争で、さらに資産を食いつぶすであろうことが指摘されています。このような闘争は古典的なものであり、規模の大きい資産の評価は「科学的手法というよりも職人技である」とコメリカ側の弁護士は述べています。
細かい話だと、フォークリフトを資産として勘定する話やプリンスがウェンディに送金した贈答金に対する課税是非。大きい話だと、ギャルピン通りにある土地の資産価値の多寡まで紹介されています。一番重要な音楽に関しては価値の査定は難しく、見積もりに差が出るのは仕方ないという意見もあります。サブスクリプションが一般的となった昨今の音楽市場も価値の見積もりに影響を及ぼしているようです。
ちらっと聞くだけでもややこし過ぎる案件ですが、このような生々しい話はとっとと片付けていただき、彼が残した「人類の遺産」とも呼べる音楽を適切な形で世に出していただきたいものです。
2021/1/4