アンディ・ウォーホールの絵を巡る係争、最高裁へ
皆さんもどこかで見たことがある、アンディ・ウォーホールのこの絵。言わずもがな、「Controversy」の頃のプリンスの写真を元に創られた16枚のポップ・アートです。
プリンスの逝去を受けて2016年にこの絵の一部が雑誌の表紙に使用されました。その際、この肖像の元ネタとなった写真を撮影した写真家であるリン・ゴールドスミス氏への支払いが無かったとして、この写真の流用が公正使用※にあたらず著作権を侵害しているとして提訴。
※著作権を侵害しない範囲で著作物を使用すること
当初、ウォーホールによりヴァニティ・フェアのためにオリジナルのオレンジ・プリンスが制作された際にはゴールドスミス氏は了承しており支払いもされたのですが、その後このポートレートは様々なバリエーションが展開されました。その事実をゴールドスミス氏が知ったのも雑誌の掲載がきっかけだったということ。
連邦地裁は2019年7月にウォーホール財団を支持して公正使用であることを認めましたが、2021年3月の第2巡回裁判所では判決が覆されました。これに対して、財団は同時期に最高裁で判定されたグーグルとオラクルの裁判を引き合いに出して4月に再審理を求めましたが控訴院はこれを却下。財団は最高裁に上告するに至ります。情報源
本人を他所に何をやってるんだか…って感じですね。これ言い出すとマリリン・モンローの有名な絵なんかもアウトになっちゃいそうです。しかし、こういった「加工」による芸術作品はそもそもが破壊的なアプローチなので、公正使用の議論を始めてしまうと中々決着が付かなさそう。根深い問題だと思いますね。
2021/12/14