レビュー：書籍（洋書1）
洋書のメリットは、発刊されている絶対数の多さです。日本に紹介されていない良書もたくさんあります。しかし、英語というハードルがあるため、以下に紹介するものをすべて読破できている訳ではなく、写真や紙面構成に基づいた感想が大半ということを予めご了承いただければ幸いです。
Purple Rain
アルバム"Pruple Rain"の中身が丸ごと入った楽譜です。
これの魅力は、なんといってもオマケで入っている2曲。"God"と、"Father's Song"でしょう。前者はB面としてお目見えしていますが、後者は単体としては貴重な代物（？）かもしれません。これで気分はジョン・L・ネルソン。結構弾きやすそうだし、綺麗な曲なので挑戦してみましょう。
1984年発行 Warner Bros. Pubsications Inc. $16.95 in U.S.A. VF1179
Hits No.14
妻が洋書屋さんで偶然見つけたというプリンス本。本人に確認しても、詳細は分からないとのこと。値段設定を見ると、イギリスあたりで出版された代物ではないかと推測されます。20ページそこそこの薄い本ですが、写真が盛りだくさんで楽しめます。時期は"Batman"の頃と思われます。（ただし、写真は"Purple Rain"～"Lovesexy"の時期のものです。）英語。
1989年発行 Felden Productions ISBN1-85504-139-5 ￡1.50
Prince A Documentary By Per Nilsen
和書版で紹介している「プリンス大百科」の原語本です。ただ、この本には幾つもバージョンかあって、これがどういうバージョンかは分かりません。著者はパー・ニールセン。こちらの方が、かなりサイズが大きくて紙の質もいいです。だけど、カラー写真やオマケが全然無い（表紙以外）ので買うなら邦訳のプリンス大百科の方が得です！英語なんですが、これをじっくり読もうと思ったことはありません…。プリンス大百科と読み比べる人はいるのでしょうか？
OMNIBUS PRESS ISBN 0-7119-3179-8
Prince
CDジャケットと全く同じ大きさの本。これはCD BOOKSというシリーズで出されたプリンス版です。かなり美味しい写真がテンコ盛りです。これをどこで買ったのか完全に失念してしまいました。もしかしたら、海外のお土産だったかもしれません。ニルヴァーナとかREMとか、このシリーズで沢山のアーティストものが出版されています。英語。
詳細不明：イタリア製？
Rock n' Roll Comics - Prince
後述するプリンスのコミックは、やけにマッチョでなぜかバトルものになっている創作ものです。今作も凶悪な表紙の雰囲気からそんな匂いがプンプンしますが、実はマトモで、プリンスのキャリアを比較的忠実になぞった、伝記的な漫画になっております。デビュー前にアンドレのところに居候していたエピソードや、ストーンズ前座のブーイングなども描写されています。細部でちょっと違うんだけど…というところがありますが、許容範囲でしょう。時代的には"Graffiti Bridge"の頃まで。
詳細不明
Prince : Alter Ego
表紙を見ていただければ分かりますが、ものすごく濃くてマッチョなプリンスが印象的なコミック。本人のサイズもかなり大きく描かれています（笑）ダイヤモンド＆パールズの頃のプリを再現してるのかと思いきや。プリンスというキャラクターだけを使用した、全く別物と考えた方がいいかも。主人公がミュージシャンという設定はあれども、内容は少年漫画のような「戦い」。。プリらしさを期待して見れば、愕然としてしまうこと請け合い。
1991年発行 Paisley Park Enterprises
Prince : 3 Chains O' Gold
企画が完全に実現しなかった"3 Chains O' Gold"のコミック版という感じでしょうか。こちらでも、プリンスがミュージシャンという設定は同じですが、相変わらずプリンスは戦ってます…。
上記のコミックより、プリンスが実物に似ているので、多少マッチョ度は下がっています。それにしても何だかなぁ…。あのヴァネッサ・バーソロミューやNPGのメンバーが（地味に）活躍したり、マイテとのお約束のロマンスがあったり、突っ込みどころはたくさん。
1994年発行 Paisley Park Enterprises
Neo Manifesto audentes fortuna juvat
Come前後の時代に出された写真集ですが、写真はかなり加工されたものになっています。未発表曲（当時）の歌詞が何曲か載っています（"Empty Room"など） その中の大半の曲は後のアルバムに収録されましたが。これってマニア心を擽ってますよね。ブートを批判しているにも関わらず、火に油を注ぐような行為だと思うんですが…。プリンスの本意は分かりかねます。割と小ぶりなサイズで分厚い紙を使用してます。
1994年発行 Paisley Park Enterprises
The Sacrifice Of Victor
貴重なオフィシャル写真集の1つです。全編が白黒写真で、歌詞の引用などが少しだけ添えられている感じです。一部の写真が"Come"のジャケ等に使用されています。芸術的で、個人的に大好きです。表紙は言わずもがな"Letitgo"のシングル盤のジャケですね。ちょっとオカマっぽいプリンスや、死んだふりをするプリンスなど、お宝写真の宝庫です。
1994年発行 Paisley Park Enterprises
The Artist Formerly Known As Prince
これまたものすごく、そのまんまのタイトルですね。レビュー書きにくいから、タイトルぐらい捻ってほしいもんです。表紙は"Parade"な殿下ですが、時代に発行されたハードカバー本です。"Dirty Mind"から「Slave」時代まで、豊富な写真と文章が掲載されています。筆者はDuncan Clarke。ツボをついた写真のセレクトは、実に私好み。数あるプリンス本の中でも、ぜひ持っておきたい一冊です。
1995年発行 Bison Books Ltd. ISBN 1-85422-881-1
Emancipation words and pictures
"Emancipation"の歌詞がツラツラと載っております。写真はアルバムのアートワーク同様、変なCGが混ざっていて、ちょっと個人的には厳しいかも…。普通の写真にしてくれたらいいんですけどね。。。あのチープな加工は止めて欲しい。割と少ないページで、ツアーパンフ並みに薄っぺらい本です。私は、NPGMCで他のモノを注文したら、これが一緒に届きました。当時はショボいオマケだと思ってましたが、販売もしている模様。英語。
1996年発行 ISBN 1-57150-022-7
Possessed - The rise and fall of Prince-
かなりボリュームのある、ハードカバープリンス読本（英語）。
しかし、サブタイトルからして「栄光と落日」みたいな感じで否定的な感じ。内容を一読しても、割とネガティブな面にスポットを当てている模様。まぁ、表紙の写真を見ても、プリンスに対する愛は感じにくい気がします…。私はこれを読破する英語力、もしくは根気が無いので日本語版の発売を切に待ち望んでおります。
1999年発行 Billboard Books ISBN 0-8230-7748-9
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UPTOWN
「プリンスのファンとコレクターのためのマガジン」と銘打たれた、いわゆるファンジンです。英語ではありますが、かなりマニアックな内容が描かれており、インターネットが普及するまでは、コレクターの方達の貴重な情報源となっていました。写真は創刊号で、私が把握しているだけで60巻ぐらい出ています。確か現在は廃版になっているような…。うろ覚えですみません。余談ですが、UPTOWNのバックナンバーの電子版をまとめた"Days Of Wild"というCD-ROMも販売されていました。
詳細不明
The Vault
前述のUPTOWNによる、「非公式」のデータベース集です。年表をはじめ、コンサートやTVへの出演、レコーディング情報、インタビュー、出版、未公開のマテリアル情報など、エゲつない内容になっています。英語ということもあって、私は発売当時は手を出さず後から入手したのですが、マニア、特にコレクターの方にとってのバイブルとして超有名な本でした。2004年までのデータではありますが、何か調べたいものがあれば、これを見れば大体分かると思います。写真は殆ど無いので、英語が堪能なマニア以外は手を出さないようにしましょう。
2004年発行 UPTOWN ISBN 91-631-5482-x
Prince In Hawaii -an intimate portrait of an artist-
ハワイ公演の際に撮影されたマテリアルで構成される写真集です。プリンスのハワイ気に入りぶりが如何なく発揮されており、とてもリラックスできるショットが多数あります。ちょっとゆるめで、匿名のポートレイトとして見ても素敵な写真が多いので大好きです。加工過多の写真や、ちょっと「？」な写真も僅かながらありますが、全体を通して見れば、間違いなく「買い」です。
2004年発行 NPG Records. ISBN 0-9678501-3-4, 0-9678501-4-2
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21 Nights
ロンドンで行われた長期ライブ「21 Nights」に絡めた写真集です。といっても、ライブのショットは少なめ。珍しくメンバー（主に女性陣）の写真が多いのが特徴。プリンスのエッセイや詩などもあるのですが、個人的には目当ては写真に尽きます。特筆すべきはアフター・パーティのライブ音源を収録したCDが付属していることで、お買い得になっております。見開きの中央で写真が切れているのが若干気になりますが、、
2008年発行 Atria books ISBN 978-I-4165-5444-8
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Prince: Life & Times
美麗写真が盛りだくさんな大判フルカラー本です。
ほぼ同時期にリリースされたオフィシャル写真集「21 Nights」は小奇麗にまとまっていましたが、こちらはプリンスの歴史を追ったオーバーオール本。装丁から何から、インパクトがあります。
ちなみに、この派手な表紙はベロア風仕上げ。そのほかにもプリンスに対する愛情がディティールに散見されます。これまで出たプリンス本の中では真打ちじゃないでしょうか？プリンス逝去後、内容を追加した改訂版として再販されました。
2008年発行 JAW BONE Press ISBN 978-1-906002-18-3
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FAME: Prince
電子版でリリースされたプリンスのコミックです。プリンスの半生を超足早に紹介したような内容になっていますが、ボリュームはちょっと物足りないかもしれません。この路線で倍ぐらいの内容だと個人的には嬉しかったのですが。ちなみに、上記で紹介している、プリンスを題材にした空想の物語ではないので、ある意味貴重かもしれません。微妙に似てない感じが切ないのはご愛嬌です。プリンス没後に若干の改訂を加えて「Tribute: Prince」として再販されました。こちらのバージョンは今では絶版扱いのようです。
2013年発行 Bluewater Productions INC.
Newsweek - Commemorative Edition Prince 1958-2016
まずこの表紙に物申したいのは私だけではないはず。いや、自然体で好きですけども…、表紙としては他にもっと良い題材は無かったのかなと思いますね。Newsweekらしく数字で切った特集などが特徴でしょうか。ただ、ところどころ「え？」と思う内容もあります。大手だけに取材力はあると思いますが、やはり餅は餅屋ということでしょうか。
2016年発行 Newsweek Commemoratives ISBN 978-1942556534
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People - Celebrating Prince: 1958-2016
プリンス本人だけではなく、周囲のアーティスト等によりスポットが当たっている印象です。プリンスを取り巻く女性については他紙でも特集していますが、本誌が一番充実しています。一番俗っぽいといえばそうなんですが、読み物として面白さを追求している感じです。ネットでも流れましたが、シンボルマークの起源は興味深い特集です。
2016年発行 PEOPLE ISBN 978-1683304265
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TIME - Prince, An Artist's Life 1958-2016
一般号でもプリンスに関する記事を掲載していたTIMEですが、プリンス追悼のスペシャルエディションがこちら。追悼版各誌の中では唯一キンドル版が存在します。Newsweek同様、数字によるプリンスの振り返りや、見逃せない〇〇個のプリンスなんとか…。という切り口が印象的です。全編、紙面の上部に白い余白があるんですが、これって印刷の不備じゃないですよね？
2016年発行 TIME ASIN: B01ENWYVAK
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Rolling Stone Special
過去に何度もプリンスを表紙に冠してきたRolling Stonesの追悼スペシャルエディションです。アーカイブを使えるということでアドバンテージがありますね。表紙の特濃写真は、過去に使われたものの再利用です。ファンは飛びつきますが、一般人は手を出しにくい予感。アルバムの紹介もありますが、Essentialということですべては網羅していません。好きなアルバムが外されているとちょっと凹むかも。
2016年発行 Werner Publishing Corporation ASIN: B01GNITTD6
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