Sign O' The Times / サイン・オブ・ザ・タイムズ
「映画」というくくりは違和感があるかもしれませんが、純粋にライブ映像として楽しめるコンサート・フィルム。間違い無く世界トップクラスのクオリティで、何度見ても背筋に電流が走るような快感を覚えます。ツアー中にも録画はしていましたが、ほとんどのパートは新たに撮り直して手をかけています。そうやって仕上げたものですから、ある意味、プリンスが理想としたライブの完成形の一つと言っても過言ではないでしょう。何十年も前の作品ですが、今観ても色褪せるどころか輝きを増しています。
- Sign O' The Times
- Play In The Sunshine
- Little Red Corvette
- Housequake
- Slow Love
- I Could Never Take The Place Of Your Man
- Hot Thing
- Now's The Time
- U Got The Look
- If I Was Your Girlfriend
- Forever In My Life
- It's Gonna Be A Beautiful Night
- The Cross
みどころ
始まってから終わるまで、1秒たりとも無駄が無く、全部みどころです。もうこればっかりは言葉でつらつら書いても仕方なくてですね。「百聞は一見に如かず」を地で行くので。ハイライトは全編なんですが、その中から断腸の思いで選りすぐったカットを以下にご紹介します。
出だしの寸劇。一応サイド・ストーリー的なものがあって、ライブと並行して進みます。無視してもまったく問題無いやつです。とある女子(キャット)の三角関係を目の当たりにしたプリンスが覗き見しているところ。ドイツのデラックス版のジャケットということで。
「Little Red Corvette」です。この曲以外、すべて当時の新曲で構成されています。この曲もフルでやるのではなく、つなぎでサラリと短く演奏されます。しかし非常に効果的。
「I Could Neve Take The Place Of Your Man」です。MVもこのバージョンがそのまま使用されているのでお馴染みかもしれません。失恋したけど、次の相手としてプリンスに目を付けて舌なめずりするキャット。北斗の拳に出てくる悪者のボスのような感じでゴツい感じのカットになっちゃいました
「Hot Thing」より。キャットの股をスライディングでくぐりぬけながらスカートを剥ぎ取り、それを咥えてキャットを追いかけるという変態プレイ。こんなのできるの、そして許されるのはプリンスだけです。「Housequake」もそうなんですが、プリンスのバネが本当に半端無いです。まさにステージを跳びはねます。そして時々這いずり回ります。「どんなんやねん?」と気になった方はブルーレイかDVDをゲットしてください。
滑り込んで…。
パクッ!「キャーッ!」
スタジオテイクが時々合成されます。「If I Was Your Girl Friend」の導入部。
個人的に好きなシーンです。「近くにおいで」と言いながら「これ素敵だろ?」とショーウインドウの指輪を見せるプリンス。プリンスの声はとても優しく、キザではなく自然体なところがキュンときます。続く曲が「Forever In My Life」ですよ、しかも。私が女だったらこの人に恋して二度と現実世界に戻ってこれないと思います。愛してます。
アルバムと異なり、締め括りは「The Cross」。直前の「It's Gonna Be A Beautiful Night」も超素敵ですが、より精神性の高いエンディング。次第に高まっていくこの曲が終わると、何とも言えない満ち足りた余韻がずっと続くのです。もう本当最高。死ぬまでにあと200回は観るんじゃないでしょうか。