Lovesexy / ラヴセクシー
Lovesexy / ラヴセクシー=天国に恋するような気持ち
- I No
幻想的な音で始まり、イングリット・シャベスの印象的な喋り声からスタート。そこへ、青天の霹靂でプリンスが登場。突然お祭り騒ぎになります。この曲の元ネタが確か"The Ball"(舞踏会場)か何かだったと思います。そりゃお祭り騒ぎの音で然るべきですね。前作までのタイトにまとめる作風に反して、この冒頭の賑やかさは非常に印象的。活き活きとした演奏は、このアルバムの魅力になっています。悪く言えば散漫な印象を受けかねないんでしょうけど、際どいバランスを保っているのは流石プリンスなのです。
- Alphabet St.
前曲と繋がったような作りになっています。さながら、お祭り騒ぎの場内に流れるアナウンス。ざわつきながら、次の曲を期待するオーディエンスの気持ちはリスナーも共有するものでしょう。その雰囲気を突き破るように、プリンスの「な~ぅ」という叫び声が響き渡ります。プリンスの曲の中でも、腰砕け度が非常に高いイントロです。かなりフザケ具合の高いファンキーな曲ですが、これがダサ格好いい。関係ないですが、この曲はMVもダサ格好いいので大好きです。
- Glam Slam
爽やかでありつつ、厳かな感じをも湛えています。曲自体はポップなのに、決して軽くならないように思えるのは何故なんでしょう。個人的には、このアルバムのハイライト曲の1つです。ファンの間でも人気が高い曲 だと思います。"I Wish U Heaven"同様、心が綺麗になるような、そんな魅力を持った曲。そういえば、昔はグラム・スラム横浜なんてのもあったそうです…。リアルタイムでは知らないんですけど。
- Anna Stesia
イントロのピアノの一音で既に身震いがします。そしてドラムと同時に静かに歌が始まると、ひたすら聴き入るしか術はありません。歌詞が、プリンス節の極めつけ。凄まじく素晴らしいです。宗教的な内容ですが、普遍的な意味でしょう。"Love is god. God is love."という後半のリフレインは、このアルバムのトーンを支配しているように思います。「巷の音楽が遅れてる」というフレーズも歌われていますが、この時期のプリンスは驚異的です。ライブでの弾き語りも必見ですね。私が最も好きな曲の1つ。
- Dance On
一転して、ブリブリと賑やかな音の洪水に。踊りつづけるといっても、能天気なものではなく、「1999」のような悲壮感が背後にあるもの。曲も明るいとは言えず、アイロニックな仕上がりになってます。変則的な音のフック等が楽しいです。性急な感じが強迫観念的で中毒性高いと思われます。 ダンソン♪
- Lovesexy
どうでもいいけど、このLovesexy / ラヴセクシーって造語、凄いと思います。プリンスならではの発想というか。普通思い浮かばないと思うんですが。さて、曲は賑やかで音の洪水に圧倒されますね。途中で声の速度が変わる遊びは楽しいです。 タイトル曲としては、若干弱いと思いますが、そんなことは問題じゃないのです。
- When 2 R In Love
これは"Black Album"に収録されていたものです。何故最初に"Black Album"に収録したんでしょう?Lovesexy / ラヴセクシーにぴったりの曲だと思うんですが。全くいじらずに、そのまま曲をシフトしたのに違和感がないです。まぁ、"Black Album "においても、この曲は異色でしたが。曲に関するコメントは"Black Album"を参照して下さい。
- I Wish U Heaven
非常に爽やかで、清浄な印象を受けます。清らかな音色に精神的なメッセージが乗ります。「あなたに愛を、あなたに天国を」宗教的な内容といえども、内容は普遍的な愛を歌っています。歌詞が非常に可愛いというか、ジェントルというか、フェミニンというか。とにかく優しさに溢れる名曲です。 もう大好き(笑)
- Positivity
起承転結著しく、後半にはオリエンタルな感じまで漂う変わった曲。プリンスの布教の締めくくりということもあり、直接的なメッセージが歌われます。ラストの印象的なメロディが、異世界へと誘います。その部分を聴きたい為に、CDを最初から聴くのは私だけではないと思います(トラック分けされている欧州盤を持っている人は別ですが)。それが許されるのはこのアルバムだからでしょう。因みに、最後の水の流れる音は、アルバムの冒頭へと繋がっているそうです。