レビュー:ファミリー
何をもって「プリンス・ファミリー」と定義するかは解釈が分かれるところですが、ここではプリンスがプロデュースに大きく関わったアーティスト、プリンスのバンドに在籍していたアーティストをまとめています。かなりの数になるので、少しずつ…。
The Time
ファミリーを語る上では外せない重要バンド、ザ・タイムのデビュー・アルバム。多作なプリンスは、自分の作品の他にも曲をどんどん作曲してプロデュースまで行っていました。ザ・タイムはそんなバンドの1つで、かなり成功したバンドです。なんと、ジミー・ジャム&テリー・ルイスも在籍。(後にプリンスによって解雇されました。)ミネアポリス・ファンクの典型を楽しめます。クレジットはジェイミー・スターとモーリスで2分しているものの、殆どの工程をプリンス自身が行っているそうです。 ⇒詳細
Warner Bros. 1981
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What Time Is It?
ザ・タイムの2ndアルバム。当時1999ツアーのオープニング・アクトで彼らを起用。あまりの人気に、プリンスは自分の座を脅かされるのではと心配になったほど。(それって自爆では…?)このアルバムも1st同様、殆どの作業をプリンス1人が行っています。モーリスがスタジオに行くと、後は歌を入れるだけだったとか。余談ですが、"777-9311"は実在する電話番号で、当時のメンバーだったかスタッフの番号らしいです。発売後、いたずら電話に悩まされたとか…。なんてご無体な。 ⇒詳細
Warner Bros. 1982
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Ice Cream Castle
映画"Purple Rain"で競演していた頃の3rdアルバム。"Purple Rain"の大成功の相乗効果で、アルバム自体はザ・タイムの最多売り上げを記録。モーリス・デイとジェシー・ジョンソンがよりアルバムに貢献しており、プリンスとバンドの共作と言えるアルバムです。映画中でも演奏された定番曲、"The Bird"、"Jungle Love "収録。この頃ジミー・ジャム&テリー・ルイスは不在で、バンドも不安定だった模様。残念ながら、直後にバンドは解散。対照的にプリンスは押しも押されぬスターダムへ登ります。 ⇒詳細
Warner Bros. 1984
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Pandemonium
"Graffiti Bridge"と合わせて、ザ・タイムが オリジナル・メンバーで一時的に復活。そのタイミングでリリースされた傑作4thアルバム。"Graffiti Bridge"にも数曲ザ・タイム名義で収録されていますが、こちらは頭から爪先までザ・タイム一色。(当たり前か。)ファンキーで質の高い作品に仕上がっています。ザ・タイムの良いところである、「何も考えずに踊れるストレートな曲」は健在。ザ・タイムのアルバムはハズレが無いですが、これは特に気持ち良いです。 ⇒詳細
Paisley Park 1990
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Condensate
実に前作から20年のブランクを経て、まさかのオリジナル・アルバムがリリースされました。それぞれ独自のキャリアを培ったメンバーが再び結成。ただし、ザ・タイムというバンド名は権利の関係上、プリンス側からストップがかかったようで、バンド名は"Original 7ven"となっています。新しい時代の要素も加味しつつ、バンド名が変わっても、気持ちの良い音は健在。多くの人にとって、新たな愛聴盤が1枚加わることになったことと思います。ゥオホーホ!(裏声で) ⇒詳細
Saguaro Road Records 2011
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Vanity 6
当時のプリンスの恋人であったヴァニティを中心として結成されたガールズ・グループ。下着を着て歌うという、ステレオタイプのセクシー路線。こう聞くとただのイロモノと思うかもですが、プリンスがひたすらポップを追求したらこうなるというキャッチーさで未だに愛好家は多いです。特に"Nasty Girl"は今日でも色んなシーンでかけられる定番曲の地位を確保しています。邦題は「セクシー・ハリケーン」。 ⇒詳細
Warner Bros. 1982
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Apollonia 6
破局したヴァニティの代わりに、アポロニア・コテロを迎えたVanity 6の後継グループ。やってることはまったく一緒です(笑)こちらは映画"Purple Rain"でも印象的な役柄を演じていました。これでもかというぐらいポップな"Sex Shooter"のメロディと振り付けは多くの人の印象に残っていることかと思います。ジャケットが恐ろしくダサいのはプリンスのせいです。邦題は「セックス・シューター」。 ⇒詳細
Warner Bros. 1984
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Sheela E. In The Glamorous Life
シーラ・Eのデビュー作にして出世作。当時プリンスは、半ば強引に彼女をプロデュースしたらしいですが、見事な青田買い。一躍シーラ・Eはスターの仲間入りを果たします。彼女のドラム・プレイが堪能できるのは勿論、プリンスの手による楽曲群はポップで秀逸(クレジットはプリンスの偽名の1つである、スター・カンパニー)。とにかく格好良いです。タイトル曲は特に必聴でしょうか。このアルバムを聴いたあとは、思わず口ずさんでしまう、そんなレーズが全編盛りだくさん。 ⇒詳細
Warner Bros. 1984
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Romance 1600
シーラの2ndアルバム。シーラのクレジットとなっていますが、実は殆どの曲がプリンス作。その中でも"A Love Bizarre"は白眉ですね。ライブの定番で、よく演奏されます。ひたすら繰り返されるファンキーなラインでかなり格好良いです!2人の声が良い感じでフュージョンしています。他にも幾つかの曲で参加しています。因みに、"Live Romance 1600"というビデオでは、このアルバムのライブ映像が楽しめます。プリンスもチラッと参加してるので要チェック。 ⇒詳細
Warner Bros. 1985
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Sex Cymbal
プリンスを離れ、自らの道を歩みだしたシーラ・Eの4thアルバム。所謂、「時代の音」的なものを鳴らしています。実は、この時代に流行ってた音って嫌いなんですよね。そんな訳で、個人的には、ちょっと辛いアルバムです。何度聴いても音が右から左へ流れていってしまい、心にひっかかりません。悪くはないと思うんですが、無難過ぎるというか。でも、ドラム・プレイは、ちゃんと聴けますのでご安心を。 ⇒詳細
Warner Bros. 1991
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The Family
ザ・タイムの元メンバー(ポール・ピーターソン、ジェローム・ベントン、ジェリービーン・ジョンソン)にスザンナ・メルヴォイン(ウェンディの妹)とエリック・リーズを加えた即席バンド。相変わらず殆どをプリンスがコントロールしており、バンドは傀儡的なものだったように思います。キーボードからボーカルへ昇格した、「なんちゃってリーダー」のポールはそんな状況に不満だったらしく、このデビュー・アルバムが発売される頃にはバンドは解散。しかしながら、"Nothing Compares 2 U"(元々はこのバンドの為に提供された曲でした。)、"Mutiny"、"High Fashion"など、優れた曲が多いのです。 ⇒詳細
Paisley Park 1985
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Gaslight
寡作で名声を得たアーティストというのは、ある意味評価が揺るぎないのが定番ですが、きっとザ・ファミリーもそういうバンドの1つ。そんな彼らが装いも新たに再結成しました。バンド名はこれまた権利の関係でしょうが、"Fdeluxe"と改名されています。勿論、お馴染みのメンバーが揃ってます。プリンスファンの間で人気の高いバンドだけに、今後の活動も楽しみです。 ⇒詳細
Rope-a-Dope 2011
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Mazarati
デヴィッド・Zと元レボリューションに在籍していたブラウン・マークにより共同プロデュースされたバンド。プリンスは当初"Kiss"を提供する予定だったんですが、これは売れると確信した途端に引き上げて自分のアルバムに収録、マザラティ版よりさらにベースを省くなどシェイプアップして大ヒットしたのは有名な話です。そんな不遇にも関わらず"Player's Ball"などキャッチーな曲がある佳作かと。"100 MPH"はプリンス提供曲で、こちらも格好良いです。レア度がかなり高いので中古屋さんで見つけたら即買いしましょう。 ⇒詳細
Paisley Park 1986
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Jill Jones
"1999"時代のプロモや、映画"Purple Rain"にも登場した、ジル・ジョーンズのアルバム。主だった曲はプリンスの手によるもの。"Prince"(愛のペガサス)収録の"With You"なんかもカバーしていて微笑ましいです。(個人的には、オリジナルのか細いファルセットの方が圧倒的に好みですが。)"G-Spot"や"All Day, All Night"はプリンスそのもの。必聴です。ただ、後者の曲はジル嬢ではあと一歩な感じがします。ファンキーな曲をシャウト唱法でこなしていますが、ちょっと勿体無いような。 ⇒詳細
Paisley Park 1987
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8
プリンスの覆面プロジェクトの1つと言われる、ジャズ・ユニットMadhouseのアルバム。アルバム名と曲名が、すべて数字になっているのが特長です。1980年代後半、プリンスはジャズへの傾倒ぶりが顕著でしたが、これは完全にジャズ100%の代物。後に"N.E.W.S."などのインスト・アルバムをリリースした殿下ですが、こちらはより気楽に楽しめる感じでしょうか。なかなかファンキーで格好良いアルバムです。ファンが多い割に出回っていないので、欲しい人は中古屋さんをマメに探してみましょう。 ⇒詳細
Paisley Park 1987
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16
Madhouse のセカンドアルバム。8曲収録の流れを踏襲しており、今作は"Nine"~"Sixteen"という曲名。実はMVも作られており、ジャケットで印象的な美女とバンドメンバーが寸劇を演じます。(後のNPGとなるゲームボーイズも出演)これに続く作品として"24"も作成されていましたが、残念ながら未リリースとなっています。"1-800-NEW Funk"では"Seventeen"が収録されています。 ⇒詳細
Paisley Park 1988
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Taja Sevelle
提供曲は少ないのですが、プリンスが作ったペイズリーパーク・レコードからデビューしたということでファミリー扱いにしました。マイケル・ジャクソンの「Bad」に提供された「Wouldn't You Love To Love Me?」が一周回ってタジャの元に来た形です。本作収録の「If Eye Could Get Ur Attention」は2015年にプリンス・バージョンとしてTIDALでリリースされました。 ⇒詳細
Paisley Park 1987
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Fruit At The Bottom
プリンスと袂を分かった(というより、一方的に三行半を突きつけられた形ですが…)、ウェンディ&リサの2ndアルバムです。レボリューション後期には、バンドの音にかなり影響力を持っていたという2人ですから、やはり才能はあるに違いないのです。しかし、プリンスとのケミストリーでは力を発揮していた2人ですが、独立して同じポテンシャルを発揮することは難しいようです。 ⇒詳細
Virgin Records 1989
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Eroica
ウェンディ&リサの3rdアルバム。前作よりは幾分のびのびした雰囲気があります。しかし、正直なところ、印象にあまり残らなかったです。というか、あまり聴きこんでいないので感想を書くべきではないかも。正直、あまり好きなタイプの音ではないので…。 ⇒詳細
Virgin Records 1990
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GCS 2000
スライ&ザ・ファミリーストーンの元メンバーでありチョッパー・ベースの創始者であるラリー・グラハム率いる、グラハム・セントラル・ステーションのアルバム。プリンスは彼を 尊敬するあまり急接近。自身のレーベルに迎え入れるわ、バンドの中に編入するわ、エホバに入信するわで、音楽・思想面で凄まじい影響を受けました。あまりにもプリンスに影響を与えすぎたということで、ファンの中には彼を嫌う人も少なくありません(笑)しかし、ベース・プレイは流石。スライやG.C.S.好きな人に。 ⇒詳細
Roswell Records 2003
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Child Of The Sun
プリンスの奥様(であった)マイテ嬢のアルバム。時折プリンスの曲でバック・コーラスを手伝ったりしていましたが、まさかアルバムまで作ってしまうとは。愛の力恐るべし。"Gold...", "Exodus"の頃の作風と同じく、ポップ&煌びやかな感じになっています。しっとりと来るかと思いきや、かなりパワフルな曲もあって吃驚。特に一曲目の「らしからぬ」速さには驚かされます。何故か分かりませんが、この頃のアルバムって流通期間が短かったので、一部で価格が高騰しています。 ⇒詳細
NPG Record 1995
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RS2
90年代末から2000年前半まで、New Power Generationのベーシストとして活躍していた美人ベーシスト、ロンダ・スミスの2ndアルバムです。プリンス臭は殆ど皆無ですが、純粋な彼女のソロ・アルバムとして楽しむのが吉かと。なかなかオサレなアルバムに仕上がっています。もっとベースがブリブリ言ってるのかなーと思いきや、軽いポップ感覚で聴けますね。 ⇒詳細
Slow Wine Music 2006
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