レビュー:プリンス作品 1990-1999
物議を醸した作風の変化、プリンスのキャリアの中での1つの節目となった時代。80年代末あたりから使われるようになったNew Power Generation というキーワードが、この変化を象徴しているのかもしれません。自身の名前を捨てて、自らを発音できない記号で表記した時代でもあります。
Graffiti Bridge
同名映画のサントラ版。映画同様、ジャケットは凡人には理解し難いです。でも、日本語が随所に見られるのが嬉しいところ。復活したザ・タイム、ジョージ・クリントン、メイヴィス・ステイプルス、テヴィン・キャンベル等、複数のアーティストが参加して おり、プリンス・ファミリー総出演といった雰囲気。かなり良いアルバムだと思いますが、他アーティストの曲が個人的には蛇足に思えるかもしれません。割と中途半端な位置付けにあるんですが、名作。 ⇒詳細
Warner Bros. 1990
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New Power Generation Funky Weapon Remix
リミックス・ミニ・アルバム第2弾(多分)ジャケットの帯のセリフがインパクト大。「導かれたファンキー・ウエポン」言葉の意味は良く分かりませんが、とにかく凄い自信です。何しろファンキー・ウエポン・リミックス。痒い処に手が届く曲目です。因みにタイトル曲N.P.G.(実は"Lovesexy"の頃からチラッと歌詞に使われていました)はバンド名に採用されたり、レーベル名に採用されたり、お気に入りの言葉となりました。丁度90年代という節目で相応しいネーミングですね。 ⇒詳細
Warner Bros. 1990
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Diamonds And Pearls
プロモーションに力を注いで商業的に 大成功したアルバム。チャート面でも健闘しています。しかし世間の評価とは裏腹に評論家の間で 酷評され、彼のキャリアのターニング・ポイントとされるアルバムでもあります。コンテンポラリー寄りしたということで、ファンの間でも賛否両論。特にHIPHOPに対する傾倒が、今までのファン層の指向との乖離の原因となっているかもしれません。逆に、新たなリスナーの潮流を招き入れる呼び水となった点では、非常に意義深いアルバムだと思います。ちなみにジャケットは限定のホログラム盤と、通常のブルー盤が存在します。 ⇒詳細
Warner Bros. 1991
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Gett Off Remix EP
リミックス・ミニ・アルバム第3弾(多分)ジャケットのショットは、他に無かったのでしょうか…?ちょっと年齢制限入ってますね。この後に出る"My Name Is Prince EP"と同様、チープなジャケワークが泣かせます。正直言って、あまり聴いてないのでコメントしづらいです…。 ⇒詳細
Warner Bros. 1991
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( )
通称”Love Symbol"。ご覧の通り妙な記号がタイトルです。殿下は後にこの記号に改名するんですが、これは伏線だったのでしょうか?で、内容なんですが。「ギッシリ詰まっている」という印象を受けます。このボリュームは相当なもんです。しかもバラエティに富んでいます。一発目にガツンとくる曲が多い感じですね。買った当初は、私の中のベストアルバムでした。ただ、そのバラエティ豊さが散漫さと表裏一体となっており、これも賛否分かれることが多いみたいですね。ジャケットのシンボルはスリーブではなくCDケースに直接プリントされているので取扱注意です。 ⇒詳細
Warner Bros. 1992
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My Name Is Prince EP
リミックス・ミニ・アルバム第4弾(多分)前出の"Gett Off Remix EP"と同じ香りのするチープなジャケット。ビニールだったら渋いんですけどね。アルバム宣伝ソング"To Whom It May Concern"が入っているのがウリ? ⇒詳細
Warner Bros. 1992
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The Hits / The B-Sides
ベストとBサイドコレクションです。ベストの選曲は妥当ですが、スピリチュアルとセクリュアリティのジャンル分けは後付け感があります。短く編集されているのが致命的な曲がありますが、ベストなのでしょうがないところ。Bサイドの方はシングルを集めていなかった人にとってはかなり貴重です。バラ売りもしていますが、ベストの1と2しか出ていないので、買うなら是非3枚組みの方をオススメします。もちろん、ジャケットのバリエーションが違うので、全部集めるのもありです。 ⇒詳細
Warner Bros. 1993
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The Beautiful Experience
"The Most Beautiful Girl In The World"のリミックス集です。ジャケワークを含め、中々趣味に走った作りで満足。折り紙風のジャケットなんかも入っているんですが、この色使いがフェミニンと悪趣味の紙一重。私は個人的にかなりストライク。大好きです ね。因みに後の"The Gold Experience"に収録されたバージョンより、こちらの方が良いかも。何で入れ直したんだろう? ⇒詳細
NPG Record 1994
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Gold Nigga
NPG名義アルバム第1弾。完全にヒップホップの趣。バンドとしてのアルバムに仕上がっています。後発の作品はプリンスが前面に出てくるんですが、今作はプリンス色が比較的薄いです。1stエディションから一曲削除されて、現在の曲目になっています。そのため1stはプレミアが付いています。…が、個人的にはコレクター以外の方は普通のもので十分だと思います。 ⇒詳細
NPG Record 1994
Come
プリンス名義のラスト・アルバムとしてリリースされました。「プリンス逝く」というキャッチ・コピーは巧みで非常に印象的でしたね。コピーも良いけど、ジャケットデザインもかなり秀逸。とことん暗い中身も好きです。特に歌詞は要チェックです。歌詞を見ないと今作を正確に評価できないと思うので…。プリンス名義の終焉は、同時に新しい幕開けを期待させる序章でもあります。ただ、最後の曲(?)は要注意。。。できればボリュームを下げましょう。 ⇒詳細
Warner Bros. 1994
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Letitgo
"Come"からのシングルカットです。アルバムではなく、いわゆるマキシ・シングルというやつで、リミックスバージョンが数曲収録されています。若干ラインナップが中途半端という気もしますが元曲が良いので許容範囲。アルバムジャケット同様、Terry Gydesenによる写真集"The Sacrifice of Victor"から流用された写真も格好良いです。 ⇒詳細
Warner Bros. 1994
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Space
上記同様"Come"からシングルカットされたマキシ・シングル。あまりシングル向きの曲とは言えないので、これを切ってくるあたり渋いなーと当時思ったものです。しかし、これが中々侮れない。チルアウト的なノリが心地良く、数あるリミックス集の中でもかなり好きな部類なのです。個人的にはAcoustic Mixのポイントがかなり高いですね。 ⇒詳細
Warner Bros. 1994
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(Black Album)
タイトルも曲目も書かれていないアルバム。通称ブラック・アルバム。徹頭徹尾ファンクで構成されていて凄いです。プリンスは87年にリリース直前で、アルバムの発売をキャンセル。急遽"Lovesexy"と差し替えられました。結果膨大なブートレグが流出、超有名なブートレグとして知られることに。しかし94年、契約解消の為にそのままの内容で限定発売されちゃいました。かなりヤバいアルバムで、これをリリースしないのは犯罪に近いです。ファンクの名作。ブートを高額で買った人からはブーイングが来そうですけどね。 ⇒詳細
Warner Bros. 1994
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Exodus
NPG名義アルバム第2弾。契約騒動の折に相応しいゲリラ的な作品に仕上がっています。プリンスはTORATORAというキャラクターで参加しています。改名後の新世紀を予期させる、非常に強力なアルバム。これだけエネルギッシュなアルバムなんですが、日本盤の発売が無いということもあって、地味~に外資系CD屋さんに並んでいました。向こうでは結構プロモーションとかもしていたみたいですが。当時の国内での認知度は低かったのでは? ⇒詳細
NPG Record 1995
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The Gold Experience
改名後の1st。"Come"と対を成す作品らしいです。というか、対極にある作品なんでしょうね。全体的に明るくてストレートな作りです。生まれ変わりを感じさせる、新鮮な雰囲気が漂います。しかし、このアルバムはワーナーの出し渋りによって、リリースが一年近く延期しました。殿下とワーナー間における軋轢の一要因となったのは言うまでもありません。思い切りキャッチーな作風が気持ち良く、ファンの間でも人気の高いアルバム。 ⇒詳細
Warner Bros. 1995
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Purple Medley
その名もパープル・メドレー。そのまんまです。どこかの会場で配られたヤツを販売したということです。ただのミックスじゃなくて、録り直したヤツもあって非常に格好良いです。オマケ的なもので こんな質の高いメドレーを作るのって、凄いと思います。でも、あくまでメドレー。クオリティ高いといえど、聞き込む類のものじゃありませんね。
Warner Bros. 1995
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Music From The Motion Picture Girl 6
その名の通り映画「Girl 6」のサントラです。新曲3曲が収録されており、どれも良い曲です。が、他の内容はまったく目新しくありません。せめて別ヴァージョンで演ってほしかったです。何故か名義がプリンスだし。映画はまだ観ていないんですが、観ると印象が変わるのかな?契約解消の為にやっつけ仕事をしたと訝しんでしまいますが、選曲は良いので「裏ベスト」としての存在意義はあるかもしれません。 ⇒詳細
Warner Bros. 1996
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Chaos And Disorder
ワーナー在籍時にリリースされたラストアルバム(その後復縁したので正確には違いますが)。これまでの怒りをぶつけるようなタイトルとジャケット。"Dirty Mind"のようにラストまで一気に聴くような勢いがあります。一般の評価は賛否両論です。私は最初聴いた時はイマイチ受け付けなかったんですが、最近見直しております。色んな意味で損してるような気がしますが、それが良さでもあります。 ⇒詳細
Warner Bros. 1996
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Emancipation
独立後第一弾。3枚組みで丁度3時間という大作。「これを作る為に生まれてきた」とは殿下の言。作品の質が誇りであるということも含め、「人生で最も充実して作れた」という意味らしいです。かなり丁寧に作っています。カバー曲が 堂々と収録されているばかりか、第1弾シングルにカバー曲が採用されたということは、当時としてはかなりの衝撃でした。個人的にはバラード中心の2枚目が大好きです。非常にジェントルなアルバム。 ⇒詳細
NPG Record 1996
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Crystal Ball
アウトテイク&リミックス集です。最近の曲やリミックス等も入っています。個人的にはリミックスはリミックスアルバムで発売して欲しいところなんですが。新旧名曲がこれでもかと収録されています。フル・パッケージ・バージョンは、プラスチックの透明円柱形ケースに収められています。市販盤はジャケットのデザインが異なり、4枚組ケースに収められています。日本盤は日本クラウンから限定発売。下記の2CDは、独立したアルバムでありながら、同作品の中に含まれているという変り種です。 ⇒詳細
The Truth
殿下版アンプラグド的作品。ギターでフォーキーかつファンキーに歌います。他のどのアルバムとも違う、オマケにしては重要過ぎる作品です。個人的にはバラードが大好きです。コレは単独で出すべきだったと思うんですけどね。ジャケットも欲しいし。 ⇒詳細
Kamasutra
フル・パッケージ盤のみに入っているオマケ2。マイテの為に書き下ろしたNPGオーケストラ名義のバレエ用組曲です。アンビエントに近い内容から、ハープを使ったオリエンタルな感じまで。個人的にはBGMとして割と好きなんですが、一般的にはイマイチ不評のようです。 ⇒詳細
NPG Record 1998
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The War
"Crystal Ball"発売当時、直販盤のオマケとしてTシャツと一緒に送られてきた、シングル・カセット。小売もされている代物ですが、基本的にコピー・フリーだったと思います。その代わり、善意の寄付が条件だったと思いますが。内容は、延々と続くジャム。怪しい雰囲気の演奏と、静かに熱いリフレインは鳥肌モノです。現在NPGMCで販売しているので、聴いてみても損はないかと。希少ですがCD盤もあります。カセット版は両面同じ内容)。
NPG Record 1998
Newpower Soul
NPG名義のリリース第3弾。段々と、プリンスの匿名性が薄れていっているような気がしますが…。(ついにジャケットに本人の写真が登場してるし)チャカ・カーンとラリー・グラハムのアルバムとのセットなんてのもありました。内容は、粘っこいファンク中心の構成です。それにしても、ジャケットの幼稚なデザインには絶句。NPG名義の作品の中で、唯一国内盤が存在するアルバムでもあります。 ⇒詳細
NPG Record 1998
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Come On
"Newpower Soul" からのシングルカット。リミックスバージョンを収録したマキシ・シングルとなっています。元曲のダルなノリを生かしたミックスあり、フロア向けにアッパーにチューンしたミックスあり、はてはアカペラまで。中々ヴァラエティに富んでおり楽しめる内容です。 ⇒詳細
NPG Record 1998
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The Vault: Old Friends 4 Sale
ワーナーの蔵出し音源。相変わらず未発表曲のクオリティが抜群に高い。"She Spoke 2 Me"に見られるような、ソフィスケイトされた楽曲が目立ちます。しかし、小粒の作品を集めた印象は拭いきれませんが。惜しむらくは、リリースのタイミングが見当外れだったように思われます。1999年に絡めたいのは分かりますが、世間一般の再評価には時期尚早だったかも。収録曲の多くは、ブート等で良く知られていた曲らしいです。 ⇒詳細
Warner Bros. 1999
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1999 The New Master
ワーナーと徹底抗戦の構えの中、過去の音源を全て録り直すという噂のあった頃。その突破口を切り開くべくリリースされた"1999"のニューマスター盤。Little Red Corvetteのリフに合わせたロザリオの語りやリミックスも収録されています。同時期にワーナーからもシングルで"1999"が再販されていましたが、そちらはただのシングルの再カット。徹底したワーナーへの対抗心が生み出した徒花かと思いきや、これはこれで結構楽しめます。発売当時は好きじゃなかったですが…。 ⇒詳細
NPG Record 1999
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Rave Un2 The Joy Fantastic
明らかに、「狙った」アルバム。プリンス・ファミリー以外の参加アーティストの多さ は特筆すべき点。ゲスト陣をメインのウリにするつもりは無いでしょうけど気合は入っています。プロデューサー名にPrinceの名義を冠する という、普通から考えると理解し難い行為もプリンスならでは。当時はプリンス再燃を目指す勢いで、プロモーションも比較的目に付きました。しかし、アイドルが受ける時代の潮目を変えるには至りませんでした。 ⇒詳細
Arista 1999
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The Greatest Romance Ever Sold
"Rave Un2 The Joy Fantastic"からのシングルカット。新進気鋭アーティストによるリミックスが収録されています。元曲は当時プリンスがかなり気合を入れたもので、インタビューで「これは売れるだろうね」と本人が自ら語っていたという自信作。確かにキャッチーで売れそうですが、時代と歯車がかみ合うまで少し時間が必要だったのかもしれません。 ⇒詳細
Arista 1999
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Rave In2 The Joy Fantastic
"Rave Un2 The Joy Fantastic"のリミックスアルバム。名前が微妙に"Rave In2..."に変わっていて、ジャケのプリンスの目線が変わってます(笑)個人的には元ネタよりも、こちらのバージョンの方が好きです。タイトル曲も格好良くmixされています。未発表曲の"Beautiful Strange"が収録されているのも目玉でしょうか。 ⇒詳細
NPG Record 1999
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