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Diamonds And Pearls / ダイアモンズ・アンド・パールズ

Diamonds And Pearls / ダイアモンズ・アンド・パールズ

シーンへの歩み寄りが成功した確信犯作

 

  1. Thunder
    ドラマチックなオープニング・ナンバー。本作の最後を飾る「Live 4 Love」同様、当時勃発したイラク戦争にインスパイアされているようです。90年代のプリンスらしい、サビのコーラスが印象的。ちょっとオリエンタルなニュアンスも一部で使用されており、次作の「Diamonds And Pearls / ダイアモンズ・アンド・パールズ」へのつながりを感じさせます。一部のファンの間ではとても不評で、「When Doves Cry」の焼き直しと言われることもあるようです。単なる偶然だと思いますし、個人的にはまったく気になりません。時を経て好きになった曲の1つです。

  2. Daddy Pop
    非常に軽いノリの、ファンキーな曲。私がこういうテイストが若干苦手だったのはここだけの話です。ただ、この曲をライブで歌うプリンスは大好きです。ライブを聴いて好きになる手の曲。

  3. Diamonds And Peals
    コンテンポラリーでアダルトな感じのバラード。イントロからとても綺麗かつかなりストレートな作風で安心して聴けます。ロージーとの絡みも成功している模様。MVでは、子供と戯れる「らしくない」プリンスを拝見できます(当時は不評だったようですが)。マイケルみたいにプレスに追いかけられるシーンの挿入なんかもあります。 まぁ、それは置いといて、歌詞とともにとても美しい曲です。ファルセットではないバラードでは指折りに入るかもしれません。

  4. Cream
    全米1位を記録した曲。当時はそんなにかな?と思ったものですが、非常にキャッチーな曲であることは間違いありません。「Gett Off」はさらにキャッチーですが、内容が卑猥なので、こちらの方がチャートとの相性は良いのかもしれません。これも色んなアレンジのライブ・バージョンを聴くと惚れ直すこと請け合いの、ポテンシャルが高い曲。

  5. Strollin'
    何ともチャーミングで爽やかな曲。このアルバムの雰囲気に合ってます。嫌いじゃないですが、プリンスの曲としては物足りないような気が当時はしました。以降、こういう耳障りの良い曲も量産するし、結構良いことに気付くのですが。日本でレコーディングされた楽曲の一つ。

  6. Willing And Able
    アダルト路線が続きます。ジャズ風の雰囲気です。このアルバムで、ブラコンに回帰するかのよう。生演奏が際立つアルバムですが、ファンキーな曲とスムースな曲のバランスが実に絶妙。MVも渋くて、格好良いですね。日本でレコーディングされた楽曲の一つ。

  7. Gett Off
    物真似芸人のコロッケに「志村ケンに似ている」と指摘されたシャウトで始まります(一番最初の甲高い声ではなく、その次の「ア~アァ」というパート)。粘着こみ上げ系の曲です。かつてないぐらい落ち着いた、低いボーカルで 自信満々に歌われます。「オレの言うことが皆間違っているとすれば、何が正しいか言うのは難しいよ」、、かなり格好いいですね。掛け合いでは、他のバンド・メンバーに任せてます。MVは超格好いいです。掃除婦さんみたいなバンダナが印象的。何かのアウォードでは、お尻丸見えパンツでシェイク☆アスして伝説となりました。

  8. Walk Don't Walk
    淡々としたメッセージソングですね。ロージーとのデュエットです。こういう抑揚を押さえた中にメッセージが込められている曲って、より響くことがあります。

  9. Jughead
    ひたすらトニーがラップします。曲間でプリンスが割り込んで、美味しいところを持っていきます。時代の音に迎合したと、当時評論家から批判されることもありました。アルバム全体から見ても、明らかにヒップホップへのアプローチが大きいです。もともと独自のやり方で蒸留していましたが、90年代に入ってからは手法が変わったようです。評論家の批判に反してアルバムは大ヒットしたというのは皮肉なものです。

  10. Money Don't Matter 2night
    直前のセグエが格好いいですね。落ち着いた地声で歌われる、メッセージ・ソング。スピリチュアルな歌詞が心に染みます。淡々として抑揚が殆ど無いですが、それが切実なボーカル を引き立てています。感動せずにはいられない、素晴らしい名曲です。個人的には、このアルバムの中での最重要曲です。MVは2バージョンほどありますが、個人的に特筆すべき点はありません。日本でレコーディングされた楽曲の一つ。

  11. Push
    9曲目に近いノリの、バカ騒ぎヒップホップ。楽しんでやっているようですが、どうも中途半端な感じです。皆で一緒に歌ってます。個人的に、重要度は低いですね。ライブの方はかなり格好良いのですが。

  12. Insatiable
    若干コンテンポラリー寄りした、粘着系ファルセット・バラード。こういうプリンスの得意とするファルセット・バラードは、アルバムに一曲は入るという決め事が暗にあるんでしょう。"International Lover"からのセクシー路線を引き継いでます。幻想的なMVでは、プリンスのナルシズムが顕著です。歌詞はかなりスケベで、プリンスのエロ・ソングの5本の指に入るかもしれません。

  13. Live 4 Love
    確か、湾岸戦争に合わせたメッセージソングだったと思います。最初聴いたときは、何というか性急な感じで落ち着きがない曲だと感じましたが、それがこの曲のメッセージでもある危機感を表現していることが分かるとしっくりきました。世に数ある反戦ソングの一翼を担うポテンシャルは十二分。サビの部分での振り付けはぜひプリパでご一緒に。

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