(Love Symbol / ラヴ・シンボル)
眩暈がするほどに詰め込まれたアイデア
- My Name Is Prince
個人的にはEPに収録されたバージョンの方が微妙に好きです。買った当時は飽きるまで、猿のように繰り返し聴いた覚えがあります。好みは分かれると思いますが、かなり強力なナンバーという点では、大概の方にとっても異論は無いのでは。"My name is Prince"という、これ以上ない自信に満ちた歌詞が格好いいです。MVはストリートで撮影されていて、振り付け等が非常に良く出来ています。かなり渋い!
- Sexy MF
コミカルなやりとりで始まる、ギャング風(?)の曲。殆ど喋ってるプリンスのボーカルが、クールです。プリンスの鼻にかかった声が、よく生かされていると思います。放送禁止用語を使用している為、 ラジオ等でオン・エアされるのは、サビが一部修正されたクリーン・バージョン。「セクシーマザー… アォアッ!」発売当時は、結構物議を醸しました。その時のプリンスのコメントが、「これは愛について歌っている」だったとか。歌っている内容は「ベイビー、ケツを振れよ」なんですけどね…。
- Love 2 The 9's
一転して、爽やかな曲。非常に洗練された演奏が好印象です。洗練されているのは良いんですが、かつてのプリンスのアクが抜けています。後半ではトニーとマイテのユニークな掛け合いが繰り広げます。MVも曲と同様に垢抜けていて、非常に綺麗です。
- The Morning Papers
前曲に引き続き、爽やか路線の曲。曲風も演奏もストレート。いい曲ですが、これもアクが全くないです。ここまでストレートに演られると文句のつけようが無いんですけど。
- The Max
ダンサブルで勢いのある曲。当時は好きだったんですが、今はどこが良かったのか分からなくなりました。とっつきは良いけど、多少飽き易いかもしれません。もしクラブとかでかかったら喜んで踊りますが。
- Blue Light
直前のセグエは御愛嬌。当初、このアルバムはオペラ風にストーリーが付いていて、その名残のようです。この曲では、珍しくレゲエを取り入れています。全体的に温かい雰囲気のミディアム・テンポの曲です。
- I Wanna Melt With U
打ち込みが格好いい、変態系の曲。ただ、これも飽き易いかもしれません。MVも渋いんですが、ローラーブレードを履いたプリンスが強烈な印象を残します。結構ボカシとかも使われている問題作(?)です。
- Sweet Baby
非常にジェントルな、ファルセット・バラード。"Prince"にも通じる、女性的でストレートな曲風です。良く出来た曲なんですが、「普通」過ぎてコメントは非常に書きづらいです。このテイストも"Emancipation"あたりまで昇華されると、個人的には好みなんですが。あ、でもこれも良い曲です。
- The Continental
"Let's Work"に通じる、ファルセットのアッバー・チューンです。タイトルも含め、格好いいです。ビデオ"3 CHAINS O' COLD"では、この曲を東京ドームで歌ってます。極度にひっくり返ったファルセットが、いい感じ。
- Damn U
突然、場面が場末のバーに反転します。薄暗いバーで、僅かなスポットの下でしっぽりと歌うプリンスという感じでしょうか。洗練された極上のバラード。地声からファルセットへ転じるところが、うっとりさせます。D&Pで確立された路線を、更に昇華させたような感じです。
- Arrogance
ふざけたセグエに続いて、たたみかけるように始まります。騒がしくて、勢いで終始突っ走ります。とても短い曲。
- The Flow
これまた前曲と繋がっている、勢いのある短い曲。サビなんかは、結構格好いいです。
- 7
直前までの騒がしい流れを急に遮断するような感じで始まります。オリエンタルな要素が多分に見られる、異色の曲。この頃のプリンス、マイテの影響でエジプトにハマッていたらしいです。だからアラベスクな雰囲気の曲を作ったというのも安直な推理ですが…題名は恐らくキリスト教で説かれる「7つの大罪」を指しています。日本でも、映画の「se7en」で有名になりましたけどね。
- And God Created Woman
ドラマチックなミディアム・バラード。綺麗なんですが、何故か印象が薄いです。
- 3 Chains O' Gold
仰々しい大作風の作りになっています。直接的にせよ、間接的にせよ、曲風はクイーンに影響を受けたというのが多くの人の認めるところです。特に中盤からの曲の展開は"INNUENDO"あたりを彷彿とさせます。因みにこの曲名はクリップ集ビデオのタイトルとして使用されました。
- The Sacrifice Of Victor
一転して、ファルセットのファンキーな曲。何だかD&Pの、賑やかな作風を引き継いでいるようです。故に、個人的には苦手気味の曲。同曲名は、本のタイトルやライブ・ビデオのタイトルに使用されました。