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Hitnrun Phase Two / ヒットエンドラン・フェーズ・ツー

Hitnrun Phase Two / ヒットエンドラン・フェーズ・ツー

まさに円熟の境地

 

  1. Baltimore
    2015年、米国バルティモアで黒人青年のフレディ・グレー氏が警察官に拘束された際に致命的な怪我を負い亡くなった事件を受け、作曲・公開された曲。警察の暴力により黒人青年が無くなる事件は相次いでおり、同年はグラミー賞でも一連の問題に関したスピーチを行うなど、プリンスが心を砕いていたことが分かります。
    曲に怒りや悲壮感は無く、むしろ前向きなメッセージのみが込められたものです。最初はピリッとしない曲だと思ってましたが、曲に込められたメッセージとともに聴き込むとグッときます。

  2. RocknRoll LoveAffair
    2012年に発売&MVも公開された曲ですが、なぜか今頃収録されました。最近のプリンスは単発リリースが多かったので、もしこの Hitnrun シリーズが続くのであれば、そのあたりの曲を拾い集めていくんでしょうか?しかし、ミッドテンポの落ち着いた曲調は、最初から収録を予定していたのかと思ってしまうほどの馴染みぶり。

  3. 2.Y.2.D
    新曲。タイトルは"Too young too dare"の略です。曲は当たり障りのない印象ですが、歌詞を未確認なので、歌詞を知ったあとでは感想が変わる予感がします。ホーンが効いており、アルバムとしての統一感はあります(このアルバム収録曲の殆どがそうなんですが)。

  4. Look At Me, Look At U
    新曲。かなりオールドスクールな雰囲気です。プリンスにしては地味かもしれませんが、メロウな感触に「グフフ」と声が漏れそうになります。ボーカルの多重録りも好みで、とにかく心地良い。後述のファルセット・バラードに次いで、個人的には今作のハイライトです。殿下、お互いに歳を取りましたね。

  5. Stare
    2015年にSpotify限定で公開された曲。タイミング的に "Hitnrun Phase One" に収録されると目されていましたが、意表を突いた収録でした。ホーンが効いており、随所に "Kiss" や "Sexy Dancer" のフレーズを挿入する遊び心も。一番プリンスっぽい曲かな?

  6. Xtraloveable
    かなり遡って2011年にリリースされた曲です。ちなみにこの曲は1982年頃のアウトテイクとして昔からファンの間で人気の高かった名曲。私も大好きです。2011年にリリースされたものは蔵出しではなく再録でしたが、原曲の尖り具合が無くなったので残念に思ったのは私だけではない筈…。しかし、今作に収録されたものは当時の再録版よりホーンセクションがあったり丸くチューンされているので、アルバムの中にあって違和感はありません。むしろこっちのバージョンの方が好きですね(一番好きなのは原曲ですが)。

  7. Groovy Potential
    2013年に公式サイトで発売された曲。少し懐かしさを感じるベタさで、発売当時はあまり記憶に残りませんでしたが、アルバムの流れで聴くとアリに思えるのはマジックですね。タイトル以外は殆ど忘れていたので、一聴したときには新曲と勘違いしたのでお得でした(笑)

  8. When She Comes
    新曲。来ました!真骨頂のファルセット・バラード。最近の洗練された作風のせいか、昔のように糸が引きそうな感じは少ないですが、私がプリンスに求めるものはこれだと断言できます。溶けますよ。ただ短すぎるので、もっとしつこくやってほしいですが。

  9. Screwdriver
    2013年に公式サイトで販売された曲。今作で一番「速い」感じ。それでも、2013年のオリジナル・バージョンからは角を取った感じにアレンジされています。拘りますね~。"I'm your driver and you're my screw." なんてまたベタベタなことを歌ってます。

  10. Black Muse
    新曲。誰かのカバーかと思うほどの定番加減。ある意味安定感は半端無いですが。単発で出されると消化不良だったと思いますが、不思議なものでこれだけオールドスクールを集められると、コンセプト・アルバムとして楽しめてしまうのです。

  11. Revelation
    新曲。ファルセット・バラード2曲目です。スローに重ねられるホーンが都会の夜っぽいベタさを演出しますが、繰り返されるファルセットのコーラスは触れたら壊れそうな儚さをまとっています。孤独という言葉を音にしたらこうなるんだと思わせるほどの切なさ。歌詞を確認していませんが、 Revelation には啓示という意味もあるようです。果たして…?

  12. Big City
    新曲。ラストは一転、ファンキーなホーンが鳴り響き、パーティ・タイムに突入。これでもかと思うぐらいのオールド・スクールぶりですが、ライブならオーディエンスをステージに上げまくってお祭り状態になることが必定の好ナンバーです。

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