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006:プリンスの落とし子

プリンスが影響を与えた後輩アーティストについて。
プリンスが"Musician's musician"の1人であることは良く知られているところです。プリンスを尊敬するアーティストをすべて数え上げることは不可能に近いでしょう。 しかし、プリンスを尊敬するアーティストは星の数ほどいるのに、プリンスの正当な後継者に相応しい存在は、意外と見当たりません。
それは、プリンスのスタイルが、あまりにも多岐に渡るからであり、彼の特徴を真似したとしても、単なる二番煎じ扱いされてシーンから消え去ることは明白だからです。ワン・アンド・オンリーの特権はフォロワー達にとって厳しい壁となります。
したがって、以下に挙げるのは、あくまで「何らかの形でプリンスに影響を受けた」アーティストであり、音楽的には必ずしもプリンスのフォロワーに相当しないので悪しからず。

まず筆頭に思い浮かぶのは、やはりこの人、ディアンジェロでしょう。
伝説的な1stアルバムでいきなり名声と評価を独占したあと、2ndアルバムでその地位を確固たるものとした実力派アーティスト。

D'angelo
D'angelo

プリンスをはじめ、様々なパイオニア達の要素を自己流に昇華しています。糸を引きそうなメロウなリズムをスモーキーな雰囲気で料理した彼の音楽は中毒性が非常に高いです。プリンスからの影響は顕著で、2ndアルバムの1stシングル「Untitled (How Does It Feel)」に至っては、プリンスのオマージュと銘打ってプリンスの音を完全再現。
プリンスも彼のことは意識していたようです。アルバム「Rainbow Children」で、D'angelo風のバラードを収録し、彼のリスペクトに答えたことは記憶に新しいところ。

プリンスと同時代のアーティストを語る上で、この人の存在を外すことはできません。テレンス・トレント・ダービー(略してT.T.D.)です。

Terence Trent D'arby
Terence Trent D'arby

現在はサナンダ・マイトレーヤと改名して活動しています。というか、今となっては知る人が少なくなってきた感のある不遇の人でもあります。デビュー当時は一世を風靡したものですが…。
プリンスを凌ぐ(?)美貌と恵まれた体躯、ソウルフルな歌声にファンキーな曲、キレのあるダンス、そして時代をリードするファッション。これで当たらない筈がありませんでした。
しかし、いまだに名盤とされる1stアルバムでのインパクトが大き過ぎたのかもしれません。その後も一定のスタイルに拘らない意欲作を発表するものの人気は失速。一時はプリンスを脅かすかに見えた存在でしたが、皮肉にも「プリンスほどのキャパシティを継続して発揮することの困難さ」をを証明することになってしまいました。
余談ですが、スプリット(股割り)に関してはプリンスより上手かったかもしれません。

続いては、ファンキーなこの2人。
今や時代の寵児となったモンスター・ユニット、アウトキャスト

Outkast
Outkast

アウトキャスト(特にアンドレ・3000)はプリンスのことを敬愛しており、アウトキャスト以外のソロでもプリンス・ライクな、一味違うごった煮チューンをリリースしています。奇抜でコミカルなファッションは、一時期のプリンスに通じるところもあるかも(ちょっとアプローチは違いますが)。
ロックの殿堂で、アリシア・キーズと一緒にプリンスのプレゼンターを務めたこともあります。そのときのアンドレは緊張のあまり萎縮し、同席したアリシアの堂々とした態度に貫禄負けしていましたが、可愛げがあって好印象でした。

レニー・クラヴィッツ。彼自身、プリンスの大ファンであり、競演も果たしています。ただし、音楽的には系統は全く異なります。ファンクも演りますが、彼の屋台骨はあくまで純粋なロック。特にミックスアップを売りにはしていません。

Lenny Kravitz
Lenny Kravitz

ということで、以下は殆ど余談になります。
レニーは、上記したテレンス・トレント・ダービーの失脚に少なからず関連している気がします。テレンスの人気失速のタイミングとレニーの台頭は殆ど同期しているからです。 音楽的には全く毛色が異なるものの、若い黒人(しかも混血)で、ファッション・リーダー的な素養を持つ存在というキャラがカブったことは、テレンスにとっては痛手だったでしょう。 残念なことですが、消費者は音楽的な要素だけでアーティストを判断しません。パブリック・イメージというものも非常に重要な要素なのだと思います(商業的にはむしろそちらの方が重要?)。

見目麗しい容姿も、どことなくプリンス・チルドレン風なヴァン・ハントです。彼には「正統派」という言葉が相応しいです。アウトキャスト、ディアンジェロには先を越された感がありますが、彼も立派なプリンスの後輩の1人なのです。

Van Hunt
Van Hunt

プリンスを聴いて育ったと公言する彼が演っているのは、比較的オーセンティックなソウルの系譜に属します。今回はフィーチャーしなかったアリシア・キーズの楽曲を担当するなど、裏方の仕事も有名です。プリンスに比すると毒の要素は一切ありませんが、独自の路線を構築してぜひ成功してもらいたいものです。

エル・プレジデンテ。本紹介文の中では極めて異色のUK出身バンド。演っているのは、紛れも無いロック。声に至っては、ガンズのアクセル・ローズのようなハイトーン・ボイス。音だけ聴いているとプリンスとの接点は皆無。

El Plesidente
El Plesidente

正確に述べると、エル・プレジデンテのフロントマンであるダンテ・ギッツィーがプリンスに甚大な影響を受けています。彼自身、インタビューでもはっきりと公言しています。なんでも、ジーンズにTシャツを着て演奏するミュージシャンには納得できないそうです。そういえば原色を多用した、ダンテのケバケバしいファッション・センスは、プリンスを彷彿とさせなくもないです。
なにはともあれ、プリンスのファンということをあちこちで公言してもらえるのは嬉しいことでもあるし、ジャンルが違うだけにクロス・オーバーの可能性も期待したいところです。因みに、彼らはプリンスの曲をカバーもしています(詳細は当サイトのReviewに掲載)。

最後になりましたが、日本におけるプリンス・チルドレン達を紹介します。

岡村ちゃん
岡村靖幸
 ミッチー
 及川光博
 スガシカオ
 スガシカオ

岡村ちゃんこと岡村靖幸。和製プリンスといえば、普通彼のことを指します。プリンスに一方的に憧れ、真似をし続けた奇人、もとい才人。見た目からダンスから音から、すべてにおいてプリンスを目指した男です(届いているかどうかは別にして)。独特なスタイルでファンも多いです。ファンの間では常識となっていますが、プリンスの某曲のイントロをそのままパクッたことは伝説となっています。度重なる逮捕で復活し損ないましたが、どうなるんでしょう…。
続いて、 ミッチーこと及川光博。自らを王子と称し、ライブでプリンスの曲を使用する、紛れも無いプリンスファン。音楽的な影響は少ないですが、「三日月姫」などは比較的プリンス・フレーバーが感じられる曲です。ファンが主催するプリンス・パーティ(略してプリパ)に突如現れたこともあります。ミーハーな私はそのときに握手していただきましたが、とても紳士的な方でした。
スガシカオは、ことあるごとにプリンスのことを褒めまくっている和製ファンクの実力派です。彼がプリンスに影響を受けていることを知らないスガシカオファンも多いのでは?

他にも紹介したい人はたくさんいるのですが、極力絞ってみました。
メジャー、マイナーを問わずに探すと、ほぼ無限に存在するのではないかと思われる、プリンス・ファンのミュージシャン。今後も増加の一途を辿ることは間違いないでしょう。

2007/11/10

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