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Diamonds And Pearls: Super Deluxe Edition / ダイアモンズ・アンド・パールズ:スーパー・デラックス・エディション

ダイアモンズ・アンド・パールズ・スーパー・デラックス・エディション

ダイヤと真珠に匹敵する、膨大な未発表曲と至極の映像
オリジナル版「Diamonds And Pearls」の解説はこちら

 

Disc One

Diamonds And Pearls」と同様です。

Disc Two

プロモ・ミックスや、エディット違いの曲などが収録されています。

Disc Three

  1. Schoolyard
    プリンスのハイスクール時代の体験を元にしたと言われている曲です。彼女がマリファナを吸う描写や、校庭でいたすなど赤裸々な性描写が「リアルな」アメリカの青春を描いているように思えます、知らんけど。アルバムに合わないと判断したのか、歌詞がちょっと過激過ぎると思ったのか、真相はプリンスのみぞ知るところです。
     
  2. My Tender Heart
    ロージー・ゲインが書いたものでしたが、プリンスはタイトルと歌詞をアレンジ。最終的に彼女のアルバム「Closer Than Close」に収録されています。このプリンス・バージョンではファルセットを交え、タイトルのごとく優しく歌い上げられています。
     
  3. Pain
    チャカ・カーンに提供された曲のプリンス・バージョン。「Living Single」収録。スローで幾分ドラッギーな雰囲気がします。この曲に関しては、個人的にはチャカの方がしっくりくるように思います。それを意図して作られたので当然といえば当然なのですが。
     
  4. Streetwalker
    元々ロージー・ゲインのために用意された曲で、歌詞はロージーによるもの。発表されることはなく、今回のプリンス・バージョンが初の公式お目見えになります。疾走感のあるテンポで軽快な曲。通しで聴いた際には、踊れるこの曲が最初に引っかかりました。
     
  5. Lauriann
    なんとなく、「1999」あたりのスーデラに入ってそうな曲だな…というのが最初の感想でしたが根拠はありません。サビのコーラスは90年代末から2000年代の特徴的なものではありますが。ライナーによると1990年録音で、1992年にも再録されているとのこと(本バージョンは前者)。プリンスも結構気に入っていたことが伺えますね。ライナーを読んで初めて知ったのですが、アルバム「Diamonds And Pearls」のクレジットにLauriannへの謝意が記載されているそうです。
     
  6. Darkside
    プリンスがスタジオで指示を出しながらバンドメンバーがその場でジャムるという、当時のレコーディングの様子を垣間見ることができる音源。プリンスは拍子をとるための発声や指示を出しますが、基本的にはインストゥルメンタル。プリンス自身はまさかこれが世に出るとは思ってもいなかったとは思いますが、ベールに包まれた制作の内容を知れるのはなんとも貴重です。このセッションが原型となり「Blood On The Sheets」(後述)に昇華されます。
     
  7. Insatiable (Early Mix - Full Version)
    「Insatiable」の初期バージョン。最終的にプリンスがGOを出したのは当然アルバム・バージョンなんですが、この初期バージョンもまったく遜色が無く、普通に収録されていても違和感は無かったと思います。これに盛り込んだというより、時間も含めてタイトに絞ったのがアルバム・バージョンなんですね。引き算の美学が実践される過程を目の当たりにできます。
     
  8. Glam Slam ’91
    プリンスが運営して各地に展開したクラブ"Glam Slam"のプロモーションのために作られました。「Love Machine」をベースに「Glam Slam」はもちろん、「Gett Off」など色んな曲をパッチワーク的に組み合わせた遊び心のある曲です。
     
  9. Live 4 Love (Early Version)
    「Live 4 Love」の初期バージョン。アルバム・バージョンに比べると熱量が控えめというか、より悲しさが前面に感じられました。トニー・Mがラップするんですが、このバージョンではプリンスが自らラップしています。
     
  10. Cream (Take 2)
    「Cream」の初期バージョン。同曲は全米1位を取っていますが、この粗削りなバージョンを聴くと、曲としてはほぼ出来上がった状態から如何に洗練されて完成されていくのかが分かります。
     
  11. Skip To My You My Darling
    「Skip 2 My U My Darlin」と改名されジェベッタ・スティールに提供された曲のプリンス・バージョン。ただし、アルバム「Here It Is」のフランス盤にしか収録されなかったそうです。私はぶっちゃけファミリー関係に疎いというか興味が薄いので、そういう意味では今回初めて聴くぐらいのファースト・インプレッションで良かったです。
       
  12. Diamonds And Pearls (Long Version)
    そのまんま、「Diamonds And Pearls」のロング・バージョン。 プリンスの曲でロング・バージョンというと10分以上あるようなものを連想しますが、これはちょっとだけ長い5分30秒程度のものです。このバージョンに編集が入り時間が短縮されました。カットされた最後のパートでもうひと盛り上がりするんですが、これをカットするのは勿体無いと素人は思ってしまうのです。

Disc Four

  1. Daddy Pop (12"" Version)
    タイトル通り、12インチバージョンとしてミックスされたものですが、日の目を見ることはなく今回初めて公式リリースとなりました。プリンスの楽曲の真骨頂は12インチで発揮されるのが定説ですが、こちらも例に漏れず定食の品数が増えたようなお得感でグッドです。
     
  2. Martika’s Kitchen
    マルティカのアルバム「Martica's Kitchen」に提供された曲のプリンス・バージョン。マルティカが歌うことを想定した、キュートな曲。しかし、本当に「これOriginalsか?」っていうぐらい提供曲だらけですね(この後も続きます)。この曲はマルティカが歌った方がしっくりきますね。
     
  3. Spirit
    前曲同様、マルティカのアルバム「Martica's Kitchen」に提供された曲。こちらはプリンス版の方が個人的には好みです。
     
  4. Open Book
    ジェベッタ・スティールのアルバム「Here It Is」に提供された曲のプリンス・バージョン。ジェヴェッタは流石の歌唱力でこの名曲をソウルフルに歌い上げますが、プリンスがファルセットで歌うオリジナルのバージョンはもっと繊細な雰囲気。個人的にはこの曲のポテンシャルを引きだせているのはプリンス・バージョンではないかなと思います。
     
  5. Work That Fat
    「Martika's Kitchen」のリズムトラックを流用して、ボブ・ジョージっぽく低く加工した声でプリンスの喋りボーカルが乗る曲。おふざけで作ったのかもしれませんが、ボブ・ジョージの再臨か?と思える内容は、「Bob George 2」というタイトルにしても良かったんじゃないの?というレベル。
     
  6. Horny Pony (Version 2)
    「Horny Pony」は元々「Diamonds And Pearls」に収録される予定でしたが、「Gett Off」に差し替えられB面曲としてリリースされました(アルバムジャケットの裏面の曲目にその経緯を思わせるような記載があります)。Disc Twoにそちらのバージョンが収録されていますが、このVersion 2は初期のもので音数は少なくシンプルかつ淡々としています。こちらのバージョンの方が格好良いと思うのは私だけ?
     
  7. Something Funky (This House Comes) (Band Version)
    踊らずにはいられない超ファンキーな曲。個人的には何故この曲をオミットしたのか理解できません。これが入ってたら更に格好良いのに。トニー・MとNPGが主役過ぎてプリンスの影が薄いからですかね?そういう曲は他にもあるけど、この曲はプリンスの声が殆ど出てないので、その辺が気になったのか。もしくは全体のバランスを重視したのか。なんにせよ最高にゴキゲン(昭和風表現)な曲。今回の未発表曲では一番嬉しい収穫かもしれません。
     
  8. Hold Me
    ジェベッタ・スティールのアルバム「Here It Is」に提供された曲のプリンス・バージョン(この手の説明何回目だ?)。ジェヴェッタにとても合った、スイートな曲ではありますが、プリンスがファルセットで歌い上げるこのバージョンも中々どうして。単純に私がファルセット大好きだからかもしれませんが、こっちのが好きですね~。
     
  9. Blood On The Sheets
    「Darkside」が元になったインストゥルメンタル曲。不穏なタイトルの通り、ハードなギターが印象的でドラマティック。ロックに全振りしたアルバムに馴染みそうな、尖った曲です。格好良いですね、ライブでジャムとギターソロを延々やってほしいタイプの曲。
     
  10. The Last Dance (Bang Pow Zoom And The Whole Nine)
    ラジオのDJみたいなイントロがツボ。「Jughead」のトラックにプリンスやトニーの喋りやボーカル、ラップが乗り、よりフリースタイルに展開されます。「Jughead」のリミックスEPがリリースされていればこの曲が収録されたことは容易に予想されます。プリンスのねっとりした声が心行くまで堪能できるので大好きです。
     
  11. Don’t Say U Love Me
    マルティカのアルバム「Martica's Kitchen」に提供された曲のプリンス・バージョン。サウンド的には当時流行していたニュー・ジャック・スイングのテイストがストレートに反映されています。哀愁のあるアップテンポな曲調が非常に好み。マルティカ・バージョンも非常に恰好よろしいですが、個人的には、これはプリンスの方に軍配が上がります。

Disc FIve

  1. Get Blue
    ルイ・ルイのアルバム「Let's Get Started」に提供された曲のプリンス・バージョン。ミドル・テンポでなんとも切なく美しい曲。今回のレビューで紹介してきた提供曲が軒並み同じパターンだったんですが、プリンスのオリジナル・バージョンの方がとにかく繊細なんですよね。もちろん、提供されたアーティストのバージョンも素敵ですが、好みというか贔屓でそう聴こえるだけなのか…。
     
  2. Tip O’ My Tongue
    スイング・ジャズのスタンダード「In The Mood」のリフが印象的な、これまたニュー・ジャック・スイングっぽい曲。と思ったらそのまんまで、エル・デバージのアルバム「In The Storm」に提供されたようです。ライナーによると、カーク・ジョンソンと共作したとのこと。
     
  3. The Voice
    メイヴィス・ステイプルのアルバム「The Voice」に提供した曲のプリンス・バージョン。プリンスのガイド・ボーカルは幾分スローに聴こえるんですが、気の所為かな?
     
  4. Trouble
    ロージー・ゲインズに提供した曲のプリンス・バージョン(ロージー版のタイトルは「T.R.O.U.B.L.E」)。マッドハウスの「Ten」のフレーズがサンプリングされているファンキーな曲です。これに関してはロージー・バージョンの方が洗練されていますね。
       
  5. Alice Through The Looking Glass
    シーラ・Eに提供されましたが、発表には至らなかった曲。"Throught The Looking Glass"は「鏡の国のアリス」の原題ですが、この曲は児童文学とは程遠い性風俗で働く女性アリスについて歌われたものです。 怪しげな雰囲気を醸した曲調も相俟って、幻想の世界と現実の対比がなんとも効果的です。今回の未発表曲の中でも個人的にはかなり上位に位置付けられました。(これから聴き込んで変動すると思いますが)
     
  6. Standing At The Altar
    マギー・コックスに提供された曲のプリンス・バージョンで、コンピレーション・アルバム「1-800-NEW FUNK」に収録されました。明るい曲調ですが、逆境に立ち打ちひしがれる歌詞です。ゴスプレのマナーに則った精神性を感じる良曲だと思います。
    ※これが最後の提供曲&既発曲。しかし、Disc 3~5の未発表曲33曲のうち、13曲が提供曲&既発ってどんだけ…。
     
  7. Hey U
    こちらもマギー・コックスに提供されたものの、発表には至らなかった曲。ザ・提供曲といった趣で、あまりひっかかるポイントがありませんでしたが、これから聴き込みたいと思います。
     
  8. Letter 4 Miles
    1991年に逝去したマイルス・デイヴィスに捧げられたインストゥルメンタルのジャズ曲。お涙頂戴さながらに哀しさを誘う曲ではなく、割と淡々としています。毅然としたマイルスのプレイ・スタイルに対する礼賛といった印象を受けました。ミュージシャンとして、どんな言葉よりも雄弁な手段を使ってプリンスは追悼の意を表したんですね。
     
  9. I Pledge Allegiance To Your Love
    乾いたギターの音色が渋い曲。てっきりどこかの大御所への提供曲かと思いきや、そうではないようですね。アレンジを変えたら「The Truth」あたりに入ってても良い感じで馴染んだかもしれません。
     
  10. Thunder Ballet
    クラシックとモダン・ダンスを融合させたジョフリー・バレエ団のために提供された、壮大な「Thunder」の組曲バージョン。導入は普通の「Thunder」か?と思うのですが、中盤からの展開が、当たり前ですがバレエを意識した構成になっています。同曲は1993年に公演で使用され、その内容は「Billoboard」というタイトルでVHSおよびレーザーディスクで1994年に販売されました。ちなみに同作品は他にも「Sometimes It Snow In April」などプリンスの楽曲群が使用されています。

Disc Six, Seven

6枚目と7枚目はライブ音源になります。Blu-Rayに収録されている1992年のGlam Slamライブと同じ音源です。

  1. Thunder
  2. Daddy Pop
  3. Diamonds And Pearls
  4. Willing And Able
  5. Jughead
  6. The Sacrifice Of Victor
  7. Nothing Compares 2 U
  8. Thieves In The Temple
  9. Sexy M.F.
  1. Insatiable
  2. Cream/Well Done/I Want U/In The Socket (Medley)
  3. 1999/Baby I’m A Star/Push (Medley)
  4. Gett Off
  5. Gett Off (Houstyle)

Blu-ray

■ Live At Glam Slam, 1992

D&Pツアーの皮切りに、自身が運営する地元ミネアポリスのクラブGlam Slamで行われたライブです。小さな箱のプロショット、そして地元でリラックスしてノリノリのプリンス、キレッキレのパフォーマンス、仰天するようなアレンジ、この時点では未発表曲だった曲を惜しげもなく披露、など見どころしかありません。すべてのライブ映像の中でも、これは10本の指に入るのではないでしょうか?

Live at Glam Slam 1992

Live at Glam Slam 1992

Live at Glam Slam 1992

  1. Thunder
  2. Daddy Pop
  3. Diamonds And Pearls
  4. Willing And Able
  5. Jughead
  6. The Sacrifice Of Victor
  7. Nothing Compares 2 U
  8. Thieves In The Temple
  9. Sexy M.F.
  10. Insatiable
  11. Cream/Well Done/I Want U/In The Socket (Medley)
  12. 1999/Baby I’m A Star/Push (Medley)
  13. Gett Off
  14. Gett Off (Houstyle)

■ Special Olympics, Metrodome, Minneapolis

こちらも地元ミネアポリスで開催されたスペシャル・オリンピックス開会式の映像です。過去に放映されたこともあって見たことがある人も多いと思いますが、ちゃんとしたもので見れるのは嬉しいです。本編は勿論ですがサウンドチェックの映像が実は影の主役。プリンスが登場すると場の雰囲気がピリッとし、バンドメンバーがプリンスの一挙手一投足に注目するところ、プリンスが淡々と指示を出すところなど、痺れます。

Soundcheck - July 19, 1991:

Special Olympic, 1991

  1. Let’s Go Crazy/Baby I’m A Star/Push (Medley)
Show - July 20, 1991:

Special Olympic, 1991

  1. Diamonds And Pearls
  2. Let’s Go Crazy/Baby I’m A Star/Push (Medley)

■ Diamonds And Pearls Video Collection

「Diamonds And Pearls」のミュージック・ビデオを集めたビデオ・コレクションです。どうせなら「Gett Off」も入れてほしかったですが…。特にそちらはDVD化すらされていないので。
ビデオ・コレクションのレビューはこちらをご覧ください。

 

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