Purple Rain Deluxe Edition / パープル・レイン・デラックス・エディション
最高の音で蘇る最高傑作
オリジナル版「Purple Rain」の解説はこちら
Disc One
「Purple Rain」と同様
Disc Two
- The Dance Electric
アンドレ・シモンに提供した曲のプリンス・バージョン。11分を超える長尺でひたすら躍らされます。終末の前にダンスに明け暮れるという焦燥的なモチーフは80年代のプリンスが愛用したもの。ただの能天気なダンス・ナンバーではなく、大きな不安が常に視界にあるという世紀末感がスパイスになっていますね(冷戦を経験していない世代には分かりにくいのだろうかと思ったり)。後半、途中でひたすらリピートになる箇所があって、CDなのに針が音飛びしたのかと勘違いしがちですが、正常です(笑)
- Love And Sex
踊らずにはいられない、抗いがたいリズム・トラックが強力。「1999」に収録されていても違和感が無さそうな、初期のプリンスのダンス・チューンが持つ原始的なグルーブがたまりません。終始シャウト唱法で歌っているのも印象的。シャラララ♪
- Computer Blue ("Hallway Speech" Version)
「Purple Rain」にも収録されている曲ですが、こちらは12分を超える長尺のもの。ファンの間で"Hallway Speech Version"と呼ばれていましたが、正式な名前になってますね。アルバム・バージョンが編集されているので、どっちかというとこれは「Original Version」かなとも思うんですが。
Purple Rainの歌詞カードを最初に見たとき「『可哀想なコンピューター』云々って、どこで歌われてるんだ?」と思ってましたが、シラキュースのライブ等で披露されていたのを聴いて納得した記憶があります。アルバム・バージョンは映画との兼ね合い&時間の都合で本当にコンパクトに切られていますが、真骨頂はこちらのほう。中盤からの展開はとにかく痺れます。
- Electric Intercourse
「Purple Rain」、「I Would Die 4 U」などの音源を録音した伝説のファースト・アベニューのライブでも弾き語りで披露されており、ファンの間では昔から人気が高かったバラードの名曲。ブート版で聴き馴染んでいる方は、スタジオ版に違和感を覚える人もいるかもしれませんが、これまで聴いたことないという真面目な方にとってはボーナス以外の何物でもありません。個人的には今回のハイライトの一つです。ちなみに「The Beautiful Ones」に差し替えられたそうです。うーん、どちらかを選べと言われればそうなるでしょうが、こっちも大概良い曲なので悩ましい。こんな感じで名曲が沢山金庫入りしているのがプリンスなんですよね~。
- Our Destiny / Roadhouse Garden
"Our Destiny"は一聴してレボリューション(特にウェンディ&リサ)と分かるキュートなナンバー。ボーカルはキーボーディストのリサが取っています。タイトル通り、曲の途中で「Roadhouse Garden」に切り替わります。どちらもフルバージョンで入れてくれても良かったんですが…。ライブ等でも披露されており有名なブート曲として知られています(このDisc2が全部そんな感じですが)。
- Possessed
「ヘェエ~ィイイイ」と腰が抜けそうな奇声で始まるあたり、奇声マニアとしてはたまらないイントロ。シラキュースのライブでも演奏しているので、公式未発表という位置付けは微妙ですが、スタジオ版がリリースされるのは初。JBマナーに乗っ取ったファンクにリンドラムとシンセで味付けされた、この時代印の「音」がよろしいのです。
- Wonderful Ass
こちらもブートでは超有名な曲。ヴァニティのお尻のことを歌ったらしいですが、なんという直接的なタイトル。ウェンディ&リサがボーカルで入っています。レボリューション時代が一番!という人にはたまらない仕上がりになっていると思われます。
- Velvet Kitty Cat
初期のプリンスがちょくちょく愛好した曲調ですね。可愛い曲ですが、元々Vanity 6かApollonia 6に提供する予定だったらしいので、このDiscのラインナップの中にあっては少し地味かなーという気はします。
- Katrina's Paper Dolls
Katrinaとはこの時代の前後に恋人であったヴァニティのミドルネーム。なんかそういう曲が多いですね。プリンスと付き合うと曲を書いてもらえるということで、なんたる果報者でしょうか。多重ボーカルが心地良い、ミドル・テンポのナンバー。前曲と併せてラストに向けた箸休め?いやいや、中々好曲ではありますが。
- We Can Fuck
イントロでテンションが上がるのは必然。後に「Graffiti Bridge」で「We Can Funk」としてジョージ・クリントンに提供されることになった名曲ですが、80年代には既に完成しておりブートでも複数のバージョンが知られています。90年代版も格好良いのですが、少し綺麗にまとまり過ぎているので、こちらの荒削りな方が好きという方も一定数いるのでは?それにしても直接的なタイトル…。タイトルだけに限定すれば"Funk"バージョンの方が洒落てて良いかも。どのバージョンも格好良いですが、こちらは10分を超すしつこさ!(褒めてます)
- Father's Song
映画「Purple Rain」の印象的なシーンで使われていた、キッドの父親が作曲したという設定の曲。「Computer Blue」のギターソロでも拝借されている美メロです。オマケ的なポジションであったので、今回のリリースで日の目を見たのは本当に嬉しい限り。
Disc Three
エディット版やB面曲集です。
- When Doves Cry [7" Single Edit]
- 17 Days [B-Side Edit]
- Let's Go Crazy [7" Single Edit]
- Let's Go Crazy [Special Dance Mix]
- Erotic City [7" B-Side Edit]
- Erotic City ["Make Love Not War Erotic City Come Alive"]
- Purple Rain [7" Single Edit]
- God [7" B-Side Edit]
- God (Love Theme From Purple Rain) [Instrumental UK 12" B-Side]
- Another Lonely Christmas [7" B-Side Edit]
- Another Lonely Christmas [Extended Version]
- I Would Die 4 U [7" Single Edit]
- I Would Die 4 U [Extended Version]
- Baby I'm A Star [7" B-Side Edit]
- Take Me With U [7" Single Edit]
Live at the Carrier Dome, Syracuse, NY, March 30, 1985 (DVD)
生前に公式リリースされた数少ないライブ映像の一つです。これまでVHSやLDしか存在しなかったので初DVD化は嬉しい限り。ただし画質はあまり良くありません。詳細はこちら