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Piano & A Microphone 1983 / ピアノ&マイクロフォン1983

Piano & A Microphone 1983

プリンスのプライベートレコーディングを盗み聴き

 

  1. 17 Days
    普通はライブ版はレビューを省略するのですが、今回はあえて全曲にレビューを書いてみます。冒頭でプリンスの生々しい声が入りゾクゾクッとなります。のこの曲はファンの間で人気が高いB面曲。「The Hits/B-Sides」 でCD盤は聴くことができます。
     
  2. Purple Rain
    説明不要の、プリンス・アンセム。この録音がされた翌年に「Purple Rain」がリリースされるのですが、この弾き語りはアレンジがかなり異なっています。最終形よりもサラリとしていますね。がっつり弾くというよりさわりの演奏なので、一瞬で終わります。
     
  3. A Case of You
    プリンスが敬愛するジョニ・ミッチェルの名曲のカバーです。「Purple Rain」の露払いとしてファースト・アベニューで行われた伝説のライブでも演奏されましたし、「One Nite Alone...」では正式にスタジオ録音バージョンでリリースされました。歌詞のアレンジはこのころ既に確立していることが伺えます。
     
  4. Mary Don’t You Weep
    作者不詳で、古くからアメリカで歌い継がれてきた黒人霊歌の一つ。アレサ・フランクリンなど多くのアーティストにも歌われてきました。原曲の歌詞は新旧聖書からの引用で構成されており、特に旧約聖書の引用と思われる「Pharaoh's army get drowned」(出エジプト)という箇所は解放を望む奴隷の心の声とも言えます。ただし、プリンス・バージョンはかなり歌詞がアレンジされています。旧約聖書のくだりは無く、シームレスに繋がる次曲「Strange Relationship」の歌詞が部分的にフィーチャーされているのが興味深いところ。
    黒人差別をテーマにしたスパイク・リー監督の映画「BLACKKLANSMAN」のエンドロールに使用されました。
     
  5. Strange Relationship
    Sign O' The Times」に収録された名曲。作成した年と発表した年にギャップがあるのはプリンスとしては珍しいことではないのですが、この時期にこの曲が既に完成していたということは、やはり感慨深いものがあります。
     
  6. International Lover
    1999」に収録されているファルセット・バラード。カバーを除いて、この時点で既発だったのはこの曲だけということですね。スタジオ・バージョンも最高なのですが、ピアノでしっとりと歌われた日にはもう抗えません。
     
  7. Wednesday
    プリンスの未発表曲の一つで、当初はジル・ジョーンズが歌い「Purple Rain」に収録される予定もあったものです。このプリンス・バージョンはファルセットで優しく歌われます。フェミニンさでは「Don't Talk 2 Stranger」に匹敵するのではないでしょうか。さわりだけ演奏されているのが玉に瑕。きちんとしたスタジオテイク・バージョンでじっくり聴いてみたいです。
     
  8. Cold Coffee & Cocaine
    「Cloreen Bacon Skin」のボーカルで聴けるような、 自力カミール・ボイス的なおどけた声で歌います。ラッパーが歌うことはあっても、プリンスから「コカイン」なんて直接的な言葉が出てくるのは珍しいのでちょっとドキッとします。出だしからザ・タイムっぽい曲調なので、提供を意図していたお蔵入りなのかもしれません。それならタイトルにも納得ですが。バンドによるライブ版を聴いてみたいファンキーさ。
     
  9. Why the Butterflies
    一つのコードをひたすら弾いて、色んなアクセントを付けたボーカルのフレーズを実験的に乗せているような、とても不思議な曲。ライナーのドン・バッツによる解説によると、プリンスは曲のアイデアをすかさずテープに録音して、そこからマルチ・トラック・レコーディングを作り上げていたそうです。そんな作曲過程の「アイデア」がまさにこれに相当するとすれば、かなり貴重ですね。タイトルも不思議ですが、アイデアのメモ程度だったのかもしれません。

 

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