003:人生最良の日
映画を観に行って来ました。不思議なことに、何の映画だったのかは覚えていません。しかし、映画を見ていたシチュエーションは事細かに記憶しています。
場所は日本。座席は、ちょうど中ほどで、少しだけ右よりの場所でした。私の右斜め後ろに座っているのは、誰あろう…なんと、プリンス。
※写真はイメージです。
すごいポジション。
実は、そのラッキーな座席を確保できたのは、ただならぬ努力があったのです。私は出来る限りの知力と体力を駆使して、その場所をゲットすることが出来ました。
その過程については、ここでは省略したいと思います。
私はとても緊張していました。嬉しくてたまらなかったですが、何故かそれを上回る後悔もありました。「あぁ、どうしよう…」と。いや、別にどうもしなくていいんですが。私の過剰な鼓動が、理性を乱していたのでしょう。
そんな私のテンパり具合を他所に、突然プリンスは私の肩を叩いてきました。
幾分乱暴に。驚いて振り向くと、彼は私にこっそり"I need some yen."と耳打ちしたのです。一瞬、なんのことか理解できませんでした。どうやら、売店でジュースを買いたいらしく、彼の両脇には子供の連れ添いがいました。きっと日本円を持ち合わせていなかったのでしょう。というか、彼は現金を持ち歩く習慣がないに相違ありません。
ボディガードやバンドメンバーの代わりに、私が彼にお金を貸すことになるなど、光栄の至り。私は急いで財布の中身を見て、千円札を彼に渡しました。すると、"Too much big."と言いながら、彼は首を横に振るのです。
「小銭が欲しいのかな?」と思い、今度は500円硬貨と100円硬貨をありったけ手のひらの上に出して、彼に示しました。すると彼はニッコリ微笑んで、100円硬貨を数枚ピックアップしました。
唇の片端を持上げながら軽く微笑んで"Thank you."とだけ言い、そのまま子供達を引き連れて、売店へと消えて行ったのでした。
こんな夢を見ました。…アホか私は。
2007/02/18