017:氷上のプリンス羽生結弦
ゴールデンタイムのお茶の間(死語?)。
TVから「プリンスのLet's Go Crazy」というフレーズを聞けるとは誰が想像したでしょうか?プリンスの急逝によりファンの心の傷がまだ癒えていない2016年、フィギュアスケートの羽生結弦選手がプリンスの同曲をショートプログラムに採用したのです。
フィギュアにあまり詳しくない私でも羽生選手は当然知っています。あの羽生選手がプリンスの曲で滑ってくれるという嬉しさと同時に、プリンスの曲は扱いにくいのでは?という不安もありました。
このコラムを書くまでに羽生選手のショートプログラムを3大会分観てみましたが、回を重ねるごとに曲を自分のモノにしていることに驚かされました(素人目にも分かりました)。3回目などはスピードもキレも半端無いし、少年っぽかった最初の頃からどんどんオスの色香をまとっている。いや、もうすばらしいです。プリンスが生きていれば絶対喜んだと思います。ニヤリと口角を上げて、"Yuzu, you're so funky."とかなんとか言ったに違いないんです。
服装や振付もプリンスのことを研究したことが伺える半端無いリスペクトぶり。多くの人が思い浮かべた「プリンスのコスプレスケート」ではなく、確実にプリンスの本質をやっちゃってる。これは本当に嬉しいことです。
以下は、10月にはじめて披露されたショートプログラムを動画で観たときに速攻で作った比較画像。白は氷に紛れて見づらかったため、衣装の色は紫に変更されました。シーズン途中だろうが何だろうが、変えるときは変える。そのアティチュードもプリンスっぽくて素敵です。
プリンスの逝去後は一時的にメディアの露出が多くなりましたが、ファンの多くは複雑な心境だったと思います。しかし、羽生選手の演技により多くの人にプリンスを知ってもらえたことは素直に嬉しい。なぜなら彼はプリンスの心を伝えてくれているから。
羽生選手に心からありがとうと伝えたいです。
2016/12/10