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023:ブートレグ考

公式にリリースされた楽曲に勝るとも劣らない未発表曲が膨大にあり、ライブでは毎回セットリストが異なることが当たり前なプリンス。結果として海賊版、いわゆる「ブートレグ」が多く出回ることになります。気軽にブート、ブートと言ってますが、そもそもなんでしょう?こちらでも書きましたが大事なポイントは非合法商品ということです。

ブートレグ、ブートレッグ (Bootleg)、ブート版、ブート盤、海賊版、海賊盤は、法律上の権利を無視して諸権利を有しない者により権利者に無断で発売または流通される非合法商品である。Wikipediaより

海賊版


ブートレグは生前プリンスがもっとも嫌っていたものの一つです。そりゃ、勝手に自分の財産が切り売りされるわけですから、嫌わない著作者はいないと思いますが、特にプリンスはアーティストの権利のために戦った人ですので、権利を踏みにじる賊の行為を許せる訳はありません。かつて、ファンが持っているブートレグ商品を徴収する「Ways of Pharaoh」というプロジェクトを立ち上げたほどです。
本当にアーティストの利益を重んじるファミリー(=fam)であれば、ブートレグはNG。なぜならそれらの行為はパパラッチやストーカーとなんら変わらず、自分の欲望を満たすためにアーティストの権利を蹂躙しているファナティック(=fan)な行為だからです。なお、当サイトもブートレグには反対の立場を取っています。

ブート ダメ。ゼッタイ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…以上が建前です。ここから本音パート。
前述した通り、プリンスの未発表曲やライブの音源にはとてつもない魅力があります。「なんでこんな良い曲をリリースしないの?」「このライブのアレンジ、半端無い!」という驚きと、その曲に出会ったときの喜びは筆舌に尽くし難いのです。ここで上記の建前とのジレンマが生じます。分かっちゃいるけど…の世界なんですね。

しかしですね。最近はネットが発達したおかげでブートの音源も裏ですぐに出回ることが多いのです。しかも昔に比べて高音質なものが沢山あります。いや、ダメなんですよ。違法なんですよ。でも…、せめてブートは「金を払わずに聴こう」というのがささやかな矜持、みたいな感覚に共感してもらえる人はいないでしょうか?つまり犯罪者を儲けさせるのは嫌なので、友達からコピーしてもらうんですね。

その代わりといってはなんですが、アーティストが公式に音源をリリースしたら金を惜しまずに即買いします。何なら数枚買います。それがせめてもの償いというか、アーティストへの敬意の表し方だったりします。犯罪は犯罪だと言われればそれまでなんですが、任侠の世界に「仁義」という名のルールがあるように、ブートを愛好する人の間にも「愛」という名のルールがあったりするのです。

 

しかし!ブートよりも悪質なものが存在します。いわゆるパイレート盤と言われるもので、製品をそのままコピーしたものです。これって前述の「愛」ルールから大きく外れるので個人的には外道中の外道行為と思っています。
さらに最悪なのは、こういう商品をAmazonが堂々と扱っているということ。プリンス逝去後のAmazonの節操の無さはひどいもので、まるで無法地帯。私が以前にカスタマーレビューで酷評したこのベスト盤なんか酷いもので、公式のCDの音源の寄せ集めコピーです。

偽ベスト

偽ベスト

見てください。この凝りよう。ちょっと知ってる人が見たらパチもんであることは明らかな寄せ集めフォトショップなんですが、素人が見たら本物と思いますよね。

これの罪深いところは、正式版を騙っているところ。つまり純粋な騙しです、詐欺です。ブートレグは犯罪ですが、まだ自分をわきまえて路地裏でこっそり商売してますよ。しかしこれなんか「元気が出るサプリメント」と偽って商店街で覚せい剤売っているようなもんです。なにも知らない小学生や主婦が犯罪に手を染めることになるんです。こういう業者はプリンスの不幸に便乗して儲けようとしているクソなので、見つけたら通報しましょう。

2018/3/11

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