018:レカストーの思い出
プリンスの喪失から立ち直ったものの、ふとした折に思い出が去来して涙ぐんだりする日々。今日は日曜日。なぜか昔のことに思いを馳せる日だったので、掲題のエピソードをしたためてみました。
こちらでもご紹介している通り、私は高校生のときに本格的なプリンスファンになりました。
いわゆるボリュームゾーンのファンのかたは既に社会人ぐらいだったので、当時としては遅咲きの部類。
プリンスの凄さに衝撃を受けた私は、居ても立ってもいられなくなり、半狂乱でバックナンバーのCDを買い求めました(限られた小遣いの範囲で)。しかし、当時はAmazonのような便利なものはありません。お金もそんなに無いので、交通費のかからない地元のレコード屋さん(レカストー)を回って探しました。当然、地元の小さなお店では全カタログなんて置いてません。そんなときは取り寄せしてもらったりして。
そんな折、ずっと探していた"サイン・オブ・ザ・タイムズ "が届いたという報せをレカストーから受け、自転車に乗ってウキウキダッシュ!そんな私を知ってか知らずか、顔見知りのレカスト店員さん(バンドやってそうなロンゲ&イケメン)曰く。
「ほう、自分シブいやんか、このアルバム…めっちゃええよ(ニコッ)」
思わず惚れそうになりました。
この台詞で「おぉ、こんなイケてる人がプリンス推しって…、やっぱ俺は間違ってへんねんや」と、よく分からない確信を得た私。もしかしたら私がプリンス道に踏み込むことになったのは、こういう色んなエピソードの積み重ねも起因しているのかなーとも思ったり。
残念ながら、今はもうそのお店はありません。レカストー、本屋さんに限らず、個人経営の小さなお店には厳しい時代ですよね…。品揃えの悪い地元のレカストーは不便だったけど、あの不便さが手に入れたときの喜びをより大きなものにしてくれたんだなぁと、しみじみ思います。Amazonでポチッとしていたら、こういうのって無いですから。
Amazonならまだしも電子データをコピーして終了~とか、若い子ならそんな感じなんですかね?便利だし羨ましい時代だと思うけど、以下の手順が無いのって、なんだか寂しい気も。
- 足早に家に帰り、急いで、しかし丁寧にCDの封を解く開封の儀
- ライナーを汚さないように丁寧に取り出して傍らに置く備えの儀
- ステレオに正面に向かい合う禊からの再生
- 最初の音が聴こえてくるまでの高揚感と、聴こえたときの痺れ
どれもいまだに青春の思い出として鮮明に思い出すことができます。今思うと、私にとってプリンスのCDを買うことって、大袈裟に言うと人生のイベントだったんだなぁ。
2017/1/29