012:帯伝説
そう、帯。
ここで書きたいのは、レコードやCDに付いているオビについて。
ジャケットに寄り添うようにして添付された、日本独自の余計な慎ましやかな販促。その極小スペースに込められたキャッチコピーは、日本の文化や時代の写し鏡となって、今日の私達にメッセージを届けてくれます。
国内盤(レコード、CD)の帯の一例
★媚びない、逃げない、妥協しないー
アーティストとしてのパーフェクトな姿勢から生まれたロックシーンをリードする先端のメッセージ16編。(一部抜粋)
「サイン・オブ・ザ・タイムズ」より。
素晴らしいの一言に尽きます。ライナーといい、帯の文言といい、本当にプリンスのことを理解している人による作だということが伝わり好感を持てます。"Sign", "Times"の和訳を複数並べることによって多義的な解釈を促す姿勢も秀逸。これがレーベルの良心。
期待増幅度★★★★★
★THIS IS NOT Music, THIS IS A TRIP
「ラブセクシー」より。
この文言のソースは、Alphabet ST. 12'バージョンですね。ファンならニヤリとする引用になっています。この辺、「分かってるな~」と思わしめる力量が憎いところ。コアなファン以外にも、普通に印象的なフレーズだし、とても良いと思います。
マニア度★★★★☆
★導かれたファンキーウエポン。
「NPGファンキー・ウエポン・リミックス」より。
同曲の冒頭に"Let down your funky weapon."というくだりがあるので、そこから引用されたものと思われます。とにかく頭を使わずに「語感だけで決めました」的な雰囲気が何とも。まぁ、許される範囲ですね。
微妙度★★☆☆☆
★P氏と二人で初体験。誰も見たことのない音像トリップ。
「アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ」より。
まぁ、いいんですけどね。P氏ってのだけが引っかかります。ちょっと謎めいた感じとサイケデリックな感じを狙ったんでしょうか?
サイケ度★★☆☆☆
★おまえのために。おまえだけのために。
「フォー・ユー」より。
何なんでしょう、どこかの少女漫画から引っ張ってきたようなこの文章は。しかもアルバムタイトルそのまんま。捻りようが無かったのかな?
宝塚度★★☆☆☆
★とっておきの快楽をおまえに。
刹那の夢でいいなら。一夜の夢でいいなら。
「パープルレイン」より。
さて、段々と恥ずかしくなってきました。まぁ、プリンスらしいという意味では的を得たキャッチコピーなのかなという気はします。道義に反する存在だった当時のプリンス=刹那的という解釈も、あながち間違ってはいないかもしれません。恥ずかしいけど。
赤面度★★★☆☆
★躯を突き抜ける禁断のファンキー・ビート!!
今、最も危険な香りを漂わす男、プリンスからの熱~いサウンド・メッセージ!!
「1999」より。
「禁断のファンキー・ビート」で抱腹絶倒2分間。
なんというか、、、時代を感じさせますねぇ。今では信じられないでしょうが、
当時はこんなコピーがゴロゴロあったんです。あぁ、時の流れというのは残酷です。
お笑い度★★★★☆
★目覚めよ、人類。
宇宙規模の音で地球(テラ)を優しくつつみ込む。孤高の天才プリンス、40代最後の希望(メッセージ)。
「プラネット・アース - 地球の神秘」より。
なんと2007年に、この時代錯誤なクオリティ!突っ込みどころが沢山ありすぎて絶望的になります。漢字に無理やりな読み仮名(?)を付けるセンスが、頭悪い少年漫画の香り漂うところ。狙ったのか?
失望度★★★★★
★セクシー・ヴァイオレンスに堪えられるか!?
黒いミック・ジャガー(中略)時代の申し子、プリンス驚愕の最新マスターピース!!
「戦慄の貴公子」より。
いえ、堪えられません(笑)
そもそも、セクシー・ヴァイオレンスって?!
セクシャル・ヴァイオレット・No.1?
ちょwww度★★★★★
★白いペガサスに乗って愛の貴公子がやってきた。
全米チャートを嵐のごとく大暴れ!愛のキューピッドの熱い弓矢は、いまあなたのハートに!!(一部抜粋)
「愛のペガサス」より。
うーん。本当に売る気があったんでしょうかね?(笑)
明らかにイロモノの紹介文です、コレ。しかし面白すぎる。
勝手にしてくれ度★★★★★
-------------------オマケ-------------------
★バックストリートの誘惑。言葉少なに、翌朝。「グラマラスな人生」。 主演=シーラ・E。ダンス・チャートを寝取った女。
シーラ・Eの「グラマラス・ライフ」より。
もはや、意味が分かりません(笑)
きっと当時はお洒落にキメようとしたんでしょうけど、残念な結果に。
残念度★★★★★
2010/02/07